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K-1ヘビー級トーナメントは7試合中6試合が1R決着の中、"シカティックの弟子"プラチバットが優勝

2017/11/24 00:15

新生K-1初のヘビー級トーナメントは1R決着が相次ぐ大荒れの大会に。初参戦ながら決勝に勝ち上がったプラチバットが、優勝候補のエル・ボウニを下して初代ヘビー級王者に輝いています。

2014年11月に旗揚げされた新生K-1は、これまで日本人が世界と戦える軽量級〜中量級のトーナメントが開催されており、ヘビー級ではワンマッチのみ行われてきました。

そして旗揚げから3年を迎えた2017年11月に新生K-1で初のヘビー級のトーナメントが開催。日本人エースの上原誠を始めとする日本人4選手に加え、K-1で上原を下したエル・ボウニ、欧州で評価を高めているアントニオ・プラチバットら海外勢4名がトーナメントに参戦しています。

無差別のヘビー級では体格やフィジカルで劣る日本人選手が1回戦で全滅するのではと言われており、日本人選手がどこまで躍進するのか、それとも新たな外国人スターが誕生するかに注目されています。

1回戦第1試合「上原誠vsパコム・アッシ」

  • 上原の1RTKO勝利

日本のエースである上原誠が第1試合から登場し、モデルやジム経営もこなすマルチファイターであるパコム・アッシと対戦。

1R アッシが左ハイキックから入って先手を取ろうとするが、上原も負けじと左のパンチからコンビネーションまでつなげて応戦。

逆に上原が圧力をかけてアッシを下がらせ、ロープに追い詰めて得意の右フックを被せると、開始1分半ほどで左フックでダウンを奪う。あと一つダウンを取ればKO勝利となるため、上原がラッシュを仕掛ける。

アッシがガードを固めて上原にやや打ち疲れが見え始めるが、上原がクレバーにガードを縫うようにしてして放ったパンチがヒットすると、アッシが崩れて2度目のダウン。

2ノックダウン制のためこのダウンによって上原の1RTKO勝利に。日本人全滅も唱えられていた中、上原が幸先よく1回戦を突破した。

1回戦第2試合 「K-Jee vs アントニオ・プラチバット」

  • プラチバットの1RTKO勝利

70kg級から肉体改造を経てヘビー級に転向したK-Jeeが、K-1グランプリ初代王者ブランコ・シカティックの弟子であるアントニオ・プラチバットと対戦。プラチバットは海外勢の中でも欧州で最も評価の高い選手で、影の優勝候補と目されている。

1R K-Jeeはスピードを活かした蹴りを放つが、スピードでも2m近い長身を持つプラチバットの方が上回り、また体格差もあって一発一発に重さが伴ってヒットする。

とりわけプラチバットのローキックが強烈で、数発のみでK-Jeeの足に明確にダメージを残していく。そして対角線のコンビネーションで打ち下ろしのローキックが入るとたまらずK-Jeeがダウン。

ダメージを見せるK-Jeeに対して、プラチバットが焦らず的確にコンビネーションで畳み掛け、左ボディーから右ローキックまでつなげるとK-Jeeが再びダウン。これにより初参戦のプラチバットが1RTKO勝利を収めている。

1回戦第3試合 「岩下雅大 vs ロエル・マナート」

  • ロエルの1RTKO勝利

アーツやサワーらを育てたことでしられる、アンドレ・マナートの息子という血筋を持つロエル・マナートが登場。岩下は188cmと日本人としては大柄なものの、ロエルはトーナメント最長の197cmを誇る。

1R ヴェールに包まれていたロエルの実力だが、大柄なためかスピードこそないが、型にはまらずパンチ・キックを織り交ぜたコンビネーションで攻め立てる。オランダ人らしく、パンチからつなげる右のローキックがとりわけ強烈だ。

見栄えは良くないものの、ロエルが攻撃を3つ・4つと重ねると岩下にはそれに対応できずに被弾してしまう。それでもロエルは打ち疲れたか少し失速したところに、岩下はローキックを効果的に放つ。

しかしロエルの左ミドルがレバーにモロに入るとたまらず岩下がダウン。苦痛な表情を浮かべながらも岩下が立ち上がるも、ロエルが左フックを放ったところでなぎ倒されるように岩下が2度目のダウンを喫してしまう。

これによりロエルが1RTKO勝利。スピードこそないが、アグレッシブで破壊力のある攻撃は前評判を上回るものがあった。

1回戦第4試合 「KOICHI vs イブラヒム・エル・ボウニ」

  • エル・ボウニの1RKO勝利

海外勢では唯一K-1に参戦経験があり、その時には上原を下していることから優勝候補とされているイブラヒム・エル・ボウニが登場。上原に次ぐ日本人二番手とされるKOICHIが迎え打つこととなった。

1R エル・ボウニが試合開始早々から猛然とラッシュを仕掛ける。瞬発力が抜群に高く、スピード・威力ともに群を抜いた攻撃で、KOICHIを早くも圧倒する。

KOICHIがリングに追い詰められ、何とかパンチを返すものの、エル・ボウニの左フックがカウンターにアゴでまともに入ってしまう。これを貰ったKOICHIは意識を失い、リングに崩れ落ちるとレフェリーがたまらず試合をストップ。

優勝候補とされるエル・ボウニが圧巻の秒殺勝利によって準決勝に進出。ここまで全試合が1R決着で、合計タイムが7分27秒と秒殺決着が続いている。

なお敗れたKOICHIは試合後の会見で引退を宣言。トーナメントをキャリアの集大成と位置づけ、優勝しても敗れても優勝するつもりで臨んでいたとのこと。

準決勝第1試合 「上原誠 vs アントニ・プラチバット」

  • プラチバットの1RTKO勝利

ここまで日本人として唯一勝ち残った上原だが、対するプラチバットはK-Jeeを文字通り何もさせずに1RKOで破っており、上原にとっても鬼門ともいえる準決勝となっている。

1R プラチバットが体格差を活かして、ジャブを突きながら左ハイキックまでつなげる。ジリジリと圧力をかけて上原を追い詰めようとするが、上原もジャブ、ローキックと放って対抗する。しかしプラチバットが放った右ハイキックがガードの隙間を縫うようにして入り、上原がダウンを喫する。

ダメージが深くあわや10カウントという中、なんとか気力で上原が立ち上がるも、プラチバットは冷静に左のダブルで攻め立てる。さらにそこからの二段ヒザが入ると上原が2度目のダウン。

この試合もまた1RKOによってプラチバットが決勝にコマを進めている。

準決勝第2試合 「ロエル・マナート vs イブラヒム・エル・ボウニ」

  • エル・ボウニの1RTKO勝利

このトーナメント初の外国人対決となった一戦。1回戦を共に1RKOで勝ち上がったが、開始20秒にして失神KO勝利を収めたエル・ボウニに流れがあるか。

1R エル・ボウニが早速ワンツーを放ってロエルのガードを崩そうとする。やや体格で上回るロエルが蹴りで応戦するが、エル・ボウニがラッシングパワーを活かして強引にペースを掴むことに成功。ラウンド中盤に入った所で、エル・ボウニの左フックがガードの隙間からヒットすると、ロエルがダウンを喫する。

ロエルが立ち上がるも、パンチの交錯によって倒れてKO決着かと思われたが、ここはスリップの裁定に。KOも時間の問題かと思われたが、ペース度外視でラッシュを仕掛けたエル・ボウニが打ち疲れから失速。

それでも手数を減らして体力を回復させたところで、エル・ボウニが再びパンチをまとめるとロエルがダウン。2度目のダウンによって、エル・ボウニが1RTKO勝利。何とここまで6試合連続で1R決着となっている。

決勝 「アントニオ・プラチバット vs イブラヒム・エル・ボウニ」

  • プラチバットの3R判定勝利

日本勢が姿を消した中で行われた決勝戦は、共に欧州で高い評価を得ている両者が順当に勝ち上がって優勝を争うこととなった。

1R エル・ボウニがスピードのあるラッシュを仕掛けるも、プラチバットがガードを固めて得意のショートのカウンターを合わせる。

ペース度外視でエル・ボウニがワンツースリフォーと4連打をまとめるが、プラチバットのガードを崩すには至らず。逆にプラチバットが圧力をかけてロープに詰めて上下のコンビネーションをまとめていく。

上下に散らしたボディーブローをプラチバットが効かせるが、今度はカウンターでエル・ボウニのストレートが入って形勢が逆転。ダウン寸前ともいえるほどプラチバットが追い込まれてラウンドが終了した。

2R エル・ボウニがいきなりラッシュを仕掛けてダメージが残るプラチバットを脅かす。しかしプラチバットが左ミドル、左ボディーとまとめてエル・ボウニにダメージを与えていく。

中盤になるとエル・ボウニが失速し、ラッシングパワーに陰りが見えていく。足が止まったエル・ボウニに対してプラチバットが前進しながら手を止めることなく攻め立て、明確にポイントを奪取することに成功。

3R 挽回したいエル・ボウニだが体力の消耗から1Rのような脅威はもはやない。プラチバットの圧力に膝蹴りで応戦するも、プラチバットの前進を止めるには至らず。

ラウンド終盤にはプラチバットの右フックがカウンターで入ってエル・ボウニがグラつく。エル・ボウニは防戦一方となり、ダメージから組み付いて何とかやりすごしたところで試合が終了。

2R・3Rと明確な優勢で試合を進めたプラチバットが判定で勝利し、K-1初参戦にして初代ヘビー級王者に輝いている。

プラチバットが伝説を継ぐ優勝劇を演じる

見事優勝を収めたプラチバットは試合後にインタビューに応じ、次のようにコメント。

まだ夢の中にいるような感じがして、そのうち起きてしまうのではないかと思っている。見てくれたお客さんは楽しめたのではないか。KOで終える試合も多く、最後は男らしいケンカをすることができたので、試合の内容には納得しています。

私はこう見えてもまだ23才で15試合しかしていません。まだ経験が浅く、王者となってモチベーションが高い。これから自分のキャリアの中で何回でも日本に来たいと思っています。

またプラチバットの師匠である、K-1グランプリ初代王者ブランコ・シカティックからのアドバイスも生きたとのこと。

ブランコの経験とアドバイスがなければ今日の試合を勝ち抜くことはできなかった。私はまだ経験がないし、プロで1日に3試合をするのは今回が始めて。

ブランコがいつウォーミングアップをするのか、いつストレッチをするのか、いつ集中したら良いのかアドバイスしてくれて、その通りにやったらこの結果となった。

そして最後にはK-1グランプリと、新生K-1ヘビー級の初代王者同士が並んでツーショットでの撮影に。

伝説のヘビー級王者であるシカティックの後を継ぐ者として、素晴らしい試合を演じたプラチバットですが、今後新たなヘビー級の顔として新生K-1で防衛戦をこなす姿が早くも待ち遠しく思えます。

クイール編集部 ◯文 text by Queel
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