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RIZIN 笹原圭一インタビュー『大晦日を格闘技のシーズンピークへ、RIZIN3年目への歩み』

2017/12/16 15:53

RIZIN広報、笹原圭一に2017年末のRIZINの仕掛けとテーマをインタビューで尋ねてみた。ガチなカードから飛び道具カードまでバラエティ豊かな試合を提供するRIZINならではの役割が語られている。

年末格闘技の風物詩、RIZIN

2017年も残りわずかとなり、格闘技界もいよいよ年末格闘技に向けて一色となっている。

そして日本の年末格闘技といえば、2015年に旗揚げされて以来、3年連続で2日間に渡る大型興行を行うRIZINが真っ先に思い浮かぶ。RIZINは今年も大晦日に5時間15分にも渡ってフジテレビでロングラン中継が行われ、20試合を超える注目カードを揃えている。

間もなく年末格闘技を迎えようとしている中、今回は改めてRIZINがどのような経緯で年末大会を開くようになったのか、そして2017年末のテーマは何を掲げているのか、それを探るべくRIZIN広報の笹原圭一氏にインタビューを敢行した。

もう一度、日本に格闘技熱を取り戻す

ーーまず2015年のRIZIN立ち上げの経緯を教えて下さい

経緯というか、一番の根っこのところは代表の榊原の「もう一度、日本に格闘技熱を取り戻したい』という思いですよね。言ってしまえば、PRIDEがUFCに売却され、DREAMや当時のK-1も衰退してしまい、日本の格闘技界の状況は一番よかった頃に比べて相当シュリンクしてしまっていた。

もう一度格闘技の熱を取り戻したいという榊原の思いから始まり、そこにフジテレビさんの地上波がついたことが大きな推進力になったんだと思います。

ーー旗揚げ大会では重量級トーナメントが行われましたが、あれはなぜ重量級だったんですか?

今も重量級にこだわってはいるんですけど、昔のPRIDEでは重たいクラスってスターが沢山いたじゃないですか。ヒョードルしかり、ミルコしかり、ノゲイラしかり。K-1でも顔と名前が一致するヘビー級の選手って、本当にたくさんいたと思うんです。

でも今はUFCでも相当苦労していますよね。日本で言えばよりその状況が顕著だと思います。昔はなかったフライ級とかストロー級とか、日本人の体格に合っている軽量級の階級が今増えてきていますよね。

軽いクラスの面白さはもちろんあるのですが、ヘビー級は説明のいらない分かりやすさがあるじゃないですか。まずはその分かりやすさや、格闘技が本来持っている迫力みたいなものを伝えよう、ということで重量級からスタートしたんです。

ーー立ち上げではRENA選手がMMAデビューを行ってその次の年にはRIZINの主役って感じでしたが、その当時からエースとして売り出したいという想定はあったんでしょうか?

2015年の大晦日に向けて「MMAをやりませんか?」ってシュートボクシングさんに話しをした際は、こんな風になるなんて全然思っていませんでした。RENA選手はすでにシュートボクシングでほぼやり尽くして、絶対女王として君臨していたので新しい目標を作りづらかったと思うんですよね。

その時にたまたまRIZINが立ち上がって、PRIDEの時にはなかった女子格闘技にチャレンジしてみようと。どうせやるのであれば、「え?この人がMMAやるの?」という選手をリングに上げないと、面白くないじゃないですか。

僕らはチャンスを与えたということになるんでしょうけど、それを彼女は掴んだというか、ワンチャンスを活かして、思いっきり羽ばたいた。というか今でも、どこまで高く飛ぶんだろ、って感じですよね。

ーー今では女子格はRENA選手ありきかなとも印象を受けるんですが、最初はそうではなかったんですね。

よく覚えているのが、2015年の大晦日は彼女の試合を僕は運営本部のモニターで見ていたんですよ。だいたい運営本部はどんな試合でも割りとシーンとして見てるんですけど、RENA選手の時は凄く盛り上がったんですよ。

それで試合後にRENA選手が運営本部に挨拶に来た時に川尻選手もいて、「人生変わるよ」って彼女に言ってたんですよね。川尻選手も彼女の勝ちっぷりや会場の熱を敏感に感じ取って、そういう言葉が出たんだと思うんです。彼女がその言葉を覚えているかどうかわからないですけど、まさしくその通り2年で人生が変わりましたもんね。

ーーその後にRIZINは女子格をかなりプッシュしていくことになりますが、これはRENA選手の活躍を受けてからの結果なんでしょうか?

もちろんです。彼女の輝きがRIZINを動かしたというのは間違いないです。

ーーそして2016年は無差別級トーナメントがあって、ミルコ・クロコップ選手が優勝することになるんですが、これは予想されていたんですか?

本当は新しい世代が出てきて時代を変えていって欲しいという思いはあったんですけど、ミルコには簡単に勝てないだろうな、という想像もしていました。リングはミルコの庭みたいなものですし、UFCを離れてから休養していて体調も凄くいいと聞いていたので、並の選手では無理だろうとなと。

そこで唯一可能性があったのがアミール・アリアックバリだったのですが、一方的にやられちゃうくらい差がありましたよね。キング・モーも序盤はうまく戦っていましたけど、やはり最後はミルコの底力に跳ね返されましたし。新しい世代の活躍を見せたかったんですけど、ミルコがそれを押しとどめたということですよね。

(42歳という年齢を感じさせない強さを発揮したミルコが無差別級GPを優勝した)

ーー世代交代といえば立ち上げイベントのサブタイトルも「SARABAの宴」「IZAの舞」でしたよね。世代交代を見せていきたいというのはイベントのテーマなんでしょうか?

そうですね。よくファンの方からは「全然SARABAしてないじゃないか」ってお叱りをうけるんですけど(笑)。千代の富士が貴乃花に負けて、その翌日に「体力の限界」と言って引退するような分かり易さももちろん必要ですけど、やはりそこは行ったり来たりしながら、世代交代して行くんだと思います。

古い世代も自分たちの築き上げてきたものを「はい、どうぞ」って簡単に渡す話ではないので、そこはぶつかり合いがあって然るべきだと思ってはいます。

ーーたしかに今のRIZINはレジェンドと新世代が混じり合っていると印象を受けます。

そうですね。2015年の選手の平均年齢と今は10歳くらいは若返ってるんじゃないかな。めちゃくちゃ出場する選手が若返っているのは間違いないので、そこの世代間闘争っていうのはありますよね。

ーー2016年といえばギャビ・ガルシアvs神取忍というインパクトのある世代間闘争が組まれましたよね。これはどういう経緯だったんでしょうか?

あれは神取選手側からの売り込みだったんですよ。ギャビ・ガルシアという女子格に収まらないような目立つファイターがいて、僕らもキャラクターもあったのでプッシュしていた。

それを神取さんがどこかでご覧になって、一丁やってやろうという気持ちになったんだと思います。

(2017年もまた神取忍vsギャビ・ガルシアの対戦が決定した)

ーそれが神取選手の怪我でギャビ戦はなくなってしまって対戦相手を探すのは大変だったと思うんですけど、なぜ代役が堀田選手になったんでしょう?

ギャビの相手は誰でもいいのなら簡単に組めますけど、やはり大晦日なのでテーマが欲しいんですよ。世代間の闘争とかプロレスラーが殴り込んでくるとか。

神取vsギャビを発表した時にはYahooのトップにも出ましたし反響が大きかったので、神取さんも責任を感じられていた。そこで仲間達に声をかけて堀田さんが急遽名乗りを上げた、ということです。

ーー神取選手、堀田選手のどちらにしても飛び道具的だなと思ったんですが、RIZIN的には本格派のMMAに加えて、こういった世間にインパクトを与えるカードが必要ということなのでしょうか?

絶対に必要です。そういうカードを組むと怒られるんですけどね、「格闘技を舐めるんじゃない」って。まぁ正直あんまり気にしていませんとか言うと更に怒られるんですけど(笑)。

ピュアな格闘技目線で見るとギャビvs神取とか「ぶざけるな!」、ボブ・サップvs曙「何やってんだ!」ってなるのは当然の反応でしょう。でもRIZINにとっては、世間の人を振り向かせることも非常に重要な役割なわけです。

そういった批判があっても、まずは飛び道具で世間に振り向いて貰って、それから本格派のカードを見せればいいと思っています。飛び道具の試合内容がいい印象を持たれなくても、MMAのトップクラスの選手の試合を見て凄いなと思って貰えればいい。そういう意味では飛び道具は絶対に必要です。

ーー本格派と飛び道具をミックスして上手くファンを増やしていきたいという形ですね。

そうですね。だって大半の人は格闘技のことを考えて生活してないですもん。今は趣味が細分化されて、ずっと格闘技のことを考えている人なんで極わずかですよ。

そこで多くの人を振り向かせるのって生半可なことじゃ無理です。よほど仕掛けも必要ですし、普通のことをやっていても駄目。格闘技の中だけで勝負するんならいいんですけど、現状は格闘技のマーケットを広げていかないと誰も食っていけない状況になってきている。

なので世間の人が振り向いてくれて、マーケットを広げることができるのであれば、手段は選ばずに照れずにどんなことでもやります。」

クイール編集部 ◯文 text by Queel
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この記事へのコメント()

Kitty 2948404 960 720
サワディーカップ
2017/12/15 19:26

国内MMAの人気が地盤沈下して底を打った後に生まれたRIZINはまさに希望の星って感じがする。

話題性先行だとか、昔の名前に頼っているという批判もあるんだけど、それは地上波に乗せて新しいファンを育てていく。また、昔のファンを引き戻すには絶対に必要なのでは。

今年の年末も2日共に現地観戦するので、夢のあるイベントを見せて欲しい。

Uz0swhss
タカ
2017/12/15 19:38

シーズンピークってUFCもあったような。

あとRIZINは年に4、5回しかイベントをやってないから、シーズンピークというのも違う気がする。

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匿名ユーザー
2017/12/15 19:57

ボブ・サップの扱いが…

それにしても前回のRIZIN秋の陣は「髙田vsヒクソン」を流す予定だったとあるけど、これがアトラクションタイムというやつだったんですかね。

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匿名ユーザー
2017/12/15 20:02

神取が仲間に声をかけて堀田が出て来るっていうのはなんとも言えない話。

ギャビは堀田のロープワークに恐れを感じたらしいけど(笑)

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サラマンダー
2017/12/15 21:26

格闘技を世間に広めるためには、まずは一般の人にも興味を持って貰えるような対戦カードを組んでいかないといけないというのは正論だと思う。

MMAの国内トップの対戦を見せれれば人気が出るとかいう人もいるけど、純粋な試合だけで一般の人を魅了できるファンはどれだけいるんだよって。

RIZINの戦略は今の国内MMAにマッチしていると思うし、現状を考えると暫くはマッチメークはこのままで行って欲しい。

こういう感じのインタビューは個人的に関心が高いので、パンクラスとかDEEPとかの代表や広報にも突撃して欲しい。

Aolodwlc
シゲチー
2017/12/15 22:27

毎回の視聴率が勝負ってのは良く分かる。地上波打ち切り=RIZIN終了は確実、RIZINが終われば最近総合格闘技に興味持ち始めたライトファンもほとんど自然消滅するだろうし、ほんの一握りの好き者だけが観るスポーツに逆戻りだわな。
最近は地上波は視聴率さえ取れれば、もうどんな試合編成でもいいかなと思っている。地上波で放送されなさそうな試合が観たいんならお金出して観ればいい、それだけの話だ。

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匿名ユーザー
2017/12/17 02:13

 飛び道具的なカードが必要というのは理解できますが、それでも「神取忍vsギャビ・ガルシア」という危険なマッチメイクには賛成できませんね。
 もし仮に神取さんが大きな怪我を負ったりしたら格闘技のイメージが悪化しRIZINの存続が難しくなりそうですし、最悪リング禍が起きる可能性だってあります。
 これは視聴率を言い訳にできる問題ではないと思います。

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匿名ユーザー
2017/12/19 16:22

神取vsギャバは岡見vsOSPの様な内容になるのが最良の結果だと思う。それがRIZINにとって良いのか悪いのかは置いといて

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