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「パンクラス王になるための挑戦」砂辺光久が挑むRIZINワンナイトKICKトーナメント

2017/12/20 18:45

RIZINが大晦日に開催するキックボクシングのワンデートーナメントに出場する砂辺光久のインタビュー。パンクラスで3階級を制覇した砂辺はなぜ今キックボクシングに挑戦するのか、その真意を探った。

今年もまた12月29日と31日の二日間に渡り、RIZINの大型興行が開催される。

年末には男子バンタム級と女子スーパーアトム級のMMAトーナメントが予定通り行われるが、今年はそれに加えて「RIZINワンナイトKICKトーナメント」と命名された異例のキックボクシングトーナメントが追加された。

大晦日に4人制のワンデートーナメントが実施されるが、同トーナメントには主役とも言える那須川天心に加え、浜本"キャット"雄大、藤田大和、砂辺光久がエントリー。さながら異種格闘技戦の様相を呈しているが、中でもパンクラス王者である砂辺の参戦は最大のサプライズとなった。

それは各選手が打撃系格闘技をベースとする中、砂辺だけがMMAのみを経験し、また適正体重よりも5kgほど軽いストロー級を主戦場とするためだ。

パンクラスで3階級制覇を達成した実績を誇りながら、大晦日にキックトーナメントへ参戦する理由とは何だったのか。11月28日に出場が発表された記者会見後に砂辺本人へインタビューを行った。

RIZINワンナイトKICKトーナメント

RIZINが大晦日に初となるキックボクシングトーナメントを開催。1日に準決勝・決勝が行われるワンデートーナメントで、優勝者には300万円が贈られる。砂辺光久は1回戦でアマチュアボクシング王者の藤田大和と対戦する。

【対戦カード】

  • 那須川天心 vs 浜本"キャット"雄大
  • 砂辺光久 vs 藤田大和

「パンクラス王になるための挑戦」

(砂辺光久といえば陽気なキャラクターに、シャッターチャンスとなるや大きく口を開ける独自のポーズが印象的だ)

ーー先ほどの写真撮影でも気になったのですが、シャッターを押す度に口を大きく開けたポーズをとるのはいったいどういうことなんですか?

いや、キメ顔が恥ずかしいから口を開けてればいいかなってだけですよ。

ーーえっと、では照れ隠しということなんですか?

そうですね。

ーー沖縄出身だからかと…

シーサー関係ないっすよ(笑)。シーサーは口が開いているやつと開いてないやつの2つがいるので。だったら2パターンやらないといけないじゃないですか。

ーー同じパンクラスには同じく口を開けた顔がお馴染みのロッキー川村選手がいて、もしかするとそこを意識されたのかなとも思っていました。

ロッキーより俺が何年も先ですよ。まあ、ロッキーはロッキーとしての出で立ちなのでそこは俺に合わせたとも思ってないですけれど。

ーーでもインパクトがある顔芸…?ですよね。写真もあのポーズを求められることが多いんじゃないですか?

いや、やってくださいって言われる前にもうやっているので。逆に自分がやって相手もやってくれることが多いですね。

ーーすっかりお馴染みのポーズにはなってますよね。

そうですね。砂辺の真似をしたいとなれば口を開ければいい。それだけじゃないですか。

(対戦する藤田大和を前にしても口を大きく開ける砂辺ポーズを披露した)

ーー砂辺選手といえばプロレスの試合にも出場されてますよね。プロレスも興味があるんですか?

鈴木みのるさんが好きで、鈴木さんのパンクラスデビュー戦を見てパンクラシストを目指したので。

だから今も鈴木さんが好きで、鈴木さんがプロレスをするから自分もプロレスに出るってスタンスですね。

ーー口を開けるポーズもプロレス的だなと思ったんですけど、そこも意識されているんでしょうか?

そうかもしれないですね。鈴木さんでいうと舌をだすみたいな。パッと思いつくじゃないですか。そのポーズを見ればパッと名前が出てくる。「そのポーズ=この人」みたいな定番的なものですよね。鈴木さんの影響は大いにあります。

ーー今日は対戦カード発表会見に合わせての東京での取材ですが、普段は沖縄に住んでるんですよね?

今日会見で来たんですけれど今日帰りますよ。日帰りです。

ーーええ!かなり大変ですね。ずっと沖縄に住まれているんですか?

そうですね。合宿とかをするために横浜グランドスラムにいって伊藤盛一郎くんと練習したりとかはありますけど。

ーー試合は東京でやることが多く、練習環境は東京のほうが整っているとも思うのですが、上京しようと思ったことはあったんですか?

それはないです。チャンピオンになるためには上京しないといけないというのを決まりごとみたいにしたくなくて、沖縄からチャンピオンになってベルトを持ち帰るというのが元々やりたかったことなので。

そこはこだわりましたね。上京は絶対にしないって。

ーー今回はパンクラス王者としてRIZIN参戦を果たしますが、4月大会でリングに上がり挨拶されてましたよね。そこから初登場となる12月までなぜ期間が空いてしまったんでしょう。

怪我が多かったんですよ。7月も10月もRIZINからお話は頂いたんですけれど、まあ怪我があって受けることができず期間が空いてしまったって感じですかね。

ーー今は15連勝中で6年くらい負けなし。パンクラスでも絶対王者として君臨してきましたが、このタイミングでRIZINに出場しようと思った理由はなんだったんですか?

パンクラス王になるためです。

ーーパンクラス王…?

パンクラスと言えば誰ですか?って聞かれた誰って答えますか?

ーー自分の世代だと近藤有己選手ですね。

ですよね。そこに砂辺って名前が出てこないんですよ。パンクラスって誰ですかって質問に「砂辺でしょ」って名前が出てこないということは、俺はパンクラス王ではないんですよ。

何連勝したって何階級制覇したって、そこは近藤さんに勝てないわけじゃないですか。もしかしたら砂辺って答える人がいるかもしれないけれど、それはみんなじゃないですから。

RIZINを見ている人からすると中井りんって言う人もいるかもしれないし、石渡っていう人もいるかもしれない。

それが誰に聞いても一発目で砂辺って言われるようにならないとパンクラス王じゃないんです。だから俺はパンクラス王になるためにRIZINのリングに上がります。

ーー砂辺選手はパンクラスでは52kg級の現役王者ですが、RIZINでは一気に5kgも契約体重があがります。軽量級における5kgはめちゃくちゃ大きいですよね。

この階級しかないので。もちろんRIZINに52kgができるのであればそこで戦いたいですけれど、ないものはしょうがない。

実際に戦ったら体格差はあるかもしれないけれど、それは言っていられないので。

ーー今回はキックボクシングルールのワンデイトーナメントでの出場となりましたが、なぜMMAファイターの砂辺選手がキックに挑戦することを決断したんでしょう?

それこそパンクラス王になるためですよ。どこぞの団体のチャンピオンだったり、海外の選手と試合をしたところできっとテレビには出れないだろうし。

会場に来る人とか格闘技を好きな人はわかっていたとしてもそれは一般層には届かないんですよ。そこに届けるには那須川天心であったり藤田大和との試合が必要なのでトーナメントへの参戦を決めたって感じですね。

ーーキックボクシングの経験は?

ないです。今回がキックボクシングデビュー戦です。

まあMMAは打撃から始まる競技なので、キックボクシングというか打撃の練習はずっとしてきたので大丈夫です。

ーーRIZINにはMMAファイターとして出場したかったという気持ちはあったんですか?

まあ、同じカードが並んでそれがMMAルールだったらより良かったと思うんですけれど、総合で他の選手とやるってことは考えていなかったですね。

ーー1回戦では藤田選手と対戦しますが印象は?

タフだなと思います。RIZINの天心戦しか見てないんですけれど三日月蹴りをくらっても嫌な顔をしなかったし、一回ダウンしても普通に動いていたのでこの選手はタフだなと思いました。

(藤田はMMAプロデビュー戦ながら、RIZINでは那須川天心と打撃で肉薄する好勝負を演じた)

ーー藤田選手はまだプロで一戦しかこなしておらず、プロキャリアとしては砂辺選手のほうが大きく上回る戦いになります。

総合のキャリアだとそうですね。でも立ち技格闘技の経験ではあっちのほうが断然長いですよ。藤田選手はキックボクサーではないけれど、ボクシングをずっとやってきているので。

ーーボクシングをバックボーンにしている選手との対戦経験はあるんですか?

ないですね。練習の流れでボクシングジムに行って練習することはあるんですけれど、ボクサーと試合をする機会はなかったですね。

でもちょうどいいんじゃないですか。自分は総合格闘技をやってきて、あっちは蹴りの使えないボクシングでやってきているので。その間みたいな感じで。

ルール的には相手がパンチでピカイチなものを持っているぶん有利だと思いますが。ボクシングとキックボクシングでは距離も違いますし。

ーーMMAと立ち技のキックボクシングだと競技が違いますよね。まずグローブから違いますが練習でつけてみた感触はどうですか?

全然違いますよ。パンチの打ち方とか蹴り方も全部違います。

ーーそして1回戦をクリアすれば決勝では那須川選手とやる可能性が高そうですね。トーナメントはワンデイ開催で2回戦が決勝戦。

そうですね。ハードな一日になりそうですね。

ーー那須川選手の印象は?

宝ですよ。日本の宝だと思いますよ。決勝も普通に考えれば那須川選手なんじゃないですか?一回戦の相手が誰になるのかはわからないですけど。(※収録日には那須川天心の対戦相手は未定)

ーーキックボクシングに初挑戦する日で那須川選手と対戦するというのも大変ですよね。

その勢いじゃないと駄目じゃないですか(笑)。キックボクシングで那須川選手とやるって考えちゃうと尻込みすると思うし。一回戦勝った勢いでやっちゃえって。

ーー改めての質問になりますが、今回は那須川選手とやれるのが美味しいと考えての参戦なんですか?

うーん、会見でも言ったんですけれど勝てば人生が変わる相手だと思います。そういうことも含めて宝だと思っているので。

ーー宝といえば今回のトーナメントの優勝賞金は300万円と高額ですね。

2回勝ったら300万円で、準優勝でも100万円ですよね。凄いとは思いますけれど額は気にならないですよ。

優勝すればその額以上のモノを手にすると思います、これまで格闘技をやってきた24年間、それが詰まった戦いになると思うので。

まあ、その自分がやってきた積み重ねでその額かなって思っていますから。

自分は試合に向けて合宿を2回くらい張りますし、セコンドにはプロの仕事としてお金を払ってお願いしているので、これまでの試合は赤字になることも多かったんですよ。

だから格闘技で大儲けしようって気持ちがある訳ではないですし。

ーー初のキックボクシング挑戦ですが、どんな戦い方をするかはもう固まっているんですか?

それは言っちゃ駄目じゃないですか(笑)。

まあ、パンクラシストとして戦います。キックボクサーとしてではなくね。

ーーそれでは軽量級を代表するパンクラスの王者としてはRIZINで何を残したいですか?

俺が鈴木みのるさんに憧れたように、あの人みたいになりたいなって思われる選手になりたいですよね。そういう試合をしたいです。高山善廣の名前が出たらドン・フライ戦が出てくるわけじゃないですか。

例えばですけれど喧嘩で同じようにやりあってたら、「あれ高山とドン・フライ戦と一緒じゃん」ってなるわけじゃないですか。

そんな凄い試合をして「あの時の砂辺は凄かったよな」って言われるような作品をRIZINで作りたいですね。

パンクラスでやっても一般層には届かないと思うんですよ。会場のお客さん、アベマやファイトパスを見る人はいるけれど、それってパンクラスを調べていかないとたどり着かないじゃないですか。

でもRIZINはテレビをつければやっている。その強みは凄くありますよね。

ーー話は変わりますが、対戦相手の藤田選手にはキックとMMAの二刀流という話があり、那須川選手はすでに両方で活躍中です。砂辺選手も来年以降は両方でってのは考えられるんでしょうか?

RIZINだったら考えますよ。分からないですけれどね。自分がパンクラス王になるための道であれば可能性はあるかもしれないですね。

ーー大晦日のRIZINという注目される舞台で試合に出場しますが、それについての思いを改めて教えてください。

最高の舞台で最高のトーナメントを用意して貰ったと思うんですよね。そこで勝てば人生が変わると信じています。

試合が発表されてからこの1ヶ月でしっかり調整をして、2017年の12月は人生を変える一ヶ月にしたいですね。

ーー最後にキャラクターを少し掘り下げたいとおもうんですが、砂辺選手のSNSをチェックしていると漫画のワンピースが好きなんですね。

好きですね。格闘技以外で唯一ハマっているものかもしれないです。

ーーワンピースのビックリマンチョコでルフィーが当たって喜んでましたよね。

素直にうれしかったですね(笑)。キャラクター的にはルフィーがずっと好きです。

まあワンピースはそれぞれのキャラクターが立っていて、見せ場もちゃんと作ってくれるので面白いですよ。

ーーRIZINを放送しているフジテレビはワンピースのアニメも放送しているので、大晦日に活躍すれば来年はその絡みも期待したいです。あと砂辺選手といえば先日は釜石の公営住宅に遊具を寄贈したことでもニュースになりましたが、あれはどういう経緯だったんですか?

あれは東日本大震災直後から自分は復興活動をお手伝いしていて、試合に着用するパンツのスポンサー代の半分を東日本大震災の復興に活用したり、貯めてきました。

6年位たったんですが230万円くらい集まって、それでこれから被災地を担う子どもたちの笑顔を作れる場所を作りたいという思いがあったので。

それで一度は津波で流されてしまった釜石市が復興のために建てた公営住宅の遊び場に遊具を設置させて頂きました。

ーーめっちゃいい人じゃないですか。

いや〜、そうでもしないとバランスがとれないような気がするんですよ。なんとなくですけれど。

例えばここ6年くらいは負けてないですが、試合はラウンドを落としていることもあるし判定で2−1がついたこともあるんですよ。

だから運を掴んでいる人間だと思うので、なにか徳を積まないとそういうところが離れてしまいそうというか(笑)。別に悪いことをしているからごめんなさいでやっているわけじゃないですよ。

自分の中では徳を積ませてもらって、そのお陰で試合に勝たせて貰っているという感じです。

ーー最後に大晦日のトーナメントについて改めての意気込みをお願いします。

パンクラス王になるための挑戦です。お互い倒しにきて、どっちかが倒れる試合になると思います。

一回戦の相手である藤田選手はアマチュアボクシングの王者ですが、その選手を万が一パンチで倒せたら凄いですよね。

格闘技は何が起こるかわからないじゃないですか。決勝は那須川選手に勝って人生を変えます。

砂辺光久プロフィール

名前 : 砂辺光久
生年月日 : 1979年8月4日 (38才)
身長・体重 : 172cm・53kg

沖縄県那覇市の出身であり、2001年にプロデビューより老舗団体のパンクラスで戦いを続けるベテラン選手。

2009年にパンクラスでフライ級王座に輝き、その後は卓越した身体能力の高さとオールラウンドで卓越したテクニックを武器に、スーパーフライ級、ストロー級で三階級を制覇した。

現在は2011年8月より15連勝を飾っており、パンクラスでは最軽量級となるストロー級王座に君臨しているが、今回はMMAではなくキックボクシングルールでのトーナメント参戦となった。

クイール編集部 ◯文 text by Queel
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この記事へのコメント()

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パンクくん
2017/12/20 21:39

MMAの実績だと砂辺が1位だし、もしこれがMMAルールのワンデイトーナメントなら優勝候補筆頭だと思うんですけどね。

キックだと一番下に見られているのが悲しい。一発に期待。

Nd wwgyg
みるこっぷ
2017/12/20 22:04

シーサーとか狛犬の口が開いてたり閉じてたりするやつは阿吽ってやつですね
(記事とほとんど関係ない)

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