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「那須川もいずれ負けるが、それが今回になるかも」。大晦日、"神童"那須川と対戦する浜本"キャット"雄大インタビュー

2017/12/22 21:39

那須川天心の対戦相手に自ら名乗りを上げ、誰よりも強い熱意を見せたことでRIZIN参戦を果たした浜本"キャット"雄大。周囲からは無謀な挑戦と言われながらも、那須川越えに自信を見せる理由はどこにあるのか。

"神童"那須川天心(19)といえば、今やRIZINの顔と言っても過言ではない。

RIZINに参戦した当初は世間的な知名度は決して高くなかったが、参戦から1年が経過し、今や押しも押されぬスター選手として輝きを放っている。

そんな那須川はかねてよりRIZINでキックボクシングマッチを行いたいと希望し、それが実現するかのような形で、大晦日にRIZIN初のキックボクシングトーナメントが開催されることになった。

このトーナメントには那須川の他に、アマチュアボクシング王者の藤田大和、パンクラス王者の砂辺光久の参戦が決定したが、那須川の相手のみ未定となっていた。対戦相手は公募という形式が取られ、最も早く、そして熱意を持って名乗りを上げた人物として、浜本"キャット"雄大(27)が那須川の対戦相手に選ばれた。

浜本"キャット"雄大といえば、グローブを付けず、頭突きが許された過激な競技であるラウェイの日本人初の王者であり、本職のキックボクシングではREBELSを主戦場に戦ってきた。

ラウェイとムエタイ、2本のベルトを持つ浜本だが、その知名度は決して高くはなく、キックボクシングのファンであっても浜本を知らない者も多いだろう。

そんな浜本が対戦相手となったことについては「無謀な挑戦」とも呼ばれており、本人も「また那須川の相手は噛ませ犬かと思われているかもしれない」と語る。

それでも那須川との対戦に並々ならぬ闘志を燃やし、「勝つ可能性はあるのは自分」と那須川越えにも自信を見せる。その自身の真意はどこにあるのか、浜本にインタビューを行った。

「那須川もいずれ敗れるが、それが今回になる」

ーーまず今回、天心選手の対戦相手の公募に立候補したというのは、そもそもRIZINから話があったというわけではなく自ら名乗り出たものなのでしょうか。

そうですね。僕もずっとやりたいと思っていたのもあるんですけれど、天心選手の相手が公募と発表されたと聞いたので、うちのジムの代表と会長と相談して「エントリーしよう!」ということで応募しました。

ーー1番早く名乗り出たと言われていましたが、本当にすぐだったのですか?

どのくらいだったかな、すぐだったと思います。そこからが怒涛すぎて、あんまり覚えてないのですが。とは言え聞いた瞬間に送ったという感じではないです。たぶん何時間かは間があったと思います。

ーーでも迷ったというわけではないですよね。

全然迷いはないですね。
天心とやれるのに、むしろ何で手を挙げない奴がいるんだろうと。自分の力を試す良い舞台ですから。

ーーでは改めてキャット選手についてお聞きします。今回ラウェイ王者という触れ込みですけど、基本的にはREBELSだったりキックボクシングのリングを主戦場としていますよね。

デビューはM-ONEなんですけれど、J-NETWORKだったり、RISEにも出場しました。あとはREBELSに育ててもらってという感じですね。

ーーラウェイは何回出場したんですか?

2回出ましたね。

ーー2回目がタイトルマッチでしょうか?

そうですね。

ーーそれで日本初の王者になったという。

1回目はオファーが来て、代表から出ようという話になったんですけれど、凄く悩んだんです。今後の選手生命に関わる怪我を負うかもしれないという不安もありましたし。でも試合をすることに決めました。

相手もミャンマーでのラウェイトーナメントを勝ち上がってきたような凄く強い選手ということを聞いていたんですけど、凄く良い勝負ができました。ラウェイは判定がないので、ほぼ押し気味のドローでした。なので2回目はもっと強い相手とタイトルマッチをやるかと聞かれて、「やります」と即答したんです。

ーーやはり挑戦する選手なんですね。2戦目はどういう形で勝利したのでしょうか?

2戦目は避けて避けて、ボディーブローで倒しましたね。

僕は木村ミノル選手が好きなんですよ。ボディーが凄く上手いじゃないですか。自分が猫的な部分があるとするならば気分屋なんですけれど、リングでこの選手だと思うとスタイルがコロコロ変わってしまうタイプなので。過去数戦を見ても戦い方は全然違いますし。

ーーそれで「那須川天心を悶絶させる」という発言にもなったんでしょうか?

そうですね。その日がボディーブローの気分なら那須川天心を悶絶させたいなと。

ーーそういえばリングネームに「キャット」と入っているのに、猫がお好きではないようですね。

猫が好きではないというよりは、僕はずっと動物を飼ってこなかったので、動物との触れ合い方が分からないんです。猫や犬はどこか触ると怒ると聞いたことがあって。

それに、コミュニケーションが取れないという点で僕は猫が苦手です。可愛いとは思いますけれどね。

ーーそれをリングネームにつけるというのも凄いですね。

「キャットだよ」と言われたときには、ああ、そうかと思ったんですけれど、「山本KIDだって子供だろ、でもカッコイイじゃん」と。

「だからキャットもそういうブランドを自分で上げていきなよ」と言われて、自分でキャットという名前を上げたいと思ってキャットにしました。

ーー普段呼ばれる時にも「キャット」なんでしょうか?

そうですね、キャットです。

ーー「浜本」でもなく。

「キャットくん」「キャットさん」「キャット選手」と。

ーーなるほどブランディングになってますね。そういえばキャット選手は正社員で働いていますけど、プロ格闘家としては珍しいですよね。

そうですね、派遣やバイトをやりつつだったり、一本でやっている人が多いですけれど、僕は普通に大学を卒業して、最初は大手の会社に就職したんです。その後に転職して今の会社になって。普通に今はフルタイムで働いていますが、18時くらいは帰れています。

ーーそれで19時くらいに練習という流れですか?

そうですね。週6で練習できているので、逆に凄く良い環境かなと。

ーー明治大学のキックボクシング部だったんですよね。

そうですね。

ーー大学時代にタイトルは取ったのでしょうか?

これは言い訳になってしまうんですけれど、2戦目で凄く強い先輩と試合をして、引き分けでベストバウト賞みたいなものを取ったんです。それを取ってから格上としか組まれなくなって、戦績はトントンというか、5勝2敗くらいですね。

タイトルを取れるか取れないかというところまでは行ったんですけれど、トーナメントが年に1回しかないので、もう1年待って学生王者になるのか、それともすぐにプロに転向するのかと考えた時に、1年待つのがもったいないなと思ってプロに転向しました。

ーー学生の間にプロに転向したんですね

そうですね。大学2年でプロになりました。

ーー2戦目から結果を出したということですけど、高校からキックはやっていたのですか?

いえ、小中高はもうほとんど運動をやってなかったくらいです。親が厳しくて勉強ばかりやってました。

ーーということは結構インテリファイターなのかもしれませんね。

いや逆にあれだけ勉強しても明治にしか行けなかったので、僕は凄いバカだと思います。凄く勉強させられたので。

ーーいやいや…(笑) それにしても勉強ばっかりしてスポーツをしていない格闘家というのは初かも知れないです。

本当に体力測定とかも凄く低い方だったんですよ。吹奏楽部に1500mをスーッと抜かれるくらいダメで。

ーー吹奏楽部は体力大事なので走りこむんですよ。

本当ですか?それでかな。

でも僕は野球が凄く好きなんですけれど、野球をほとんどやったことがない割には飛距離はメチャメチャあると言われていました。そういった意味では小さい割には体の使い方が上手かったのかもしれませんね。

ーーSNSでも「スピード、ディフェンス、打たれ強さ」をアピールポイントとしていましたけど、今は身体能力的には今も自信があるのでしょうか?

そうですね。僕自体は自分のことを強いと思っていなくて。でも、うちのジムにもスピードある選手はたくさんいますけど、自分より早いと思ったことはなかったですね。特にスピードについては周りにもよく「早い」と言われるんですよ。

そのスピードに自分の体が適応しているので、自分では早いと思っていないんですけれど、周りが早いと言ってくれているので「スピード」が武器なのだなと思います。

ーー運動に自信はなかったけど、格闘技ではスピードがあると。

運動していなかった分、イマジネーション力みたいなものが強くて、イメージした動きがすぐできるというタイプなんです。真似が得意というか。なので、格闘技ではドンドン吸収していって自分の技につながっているんだと思います。

ーーキックパンツがヒラヒラとした通称「メルヴィン・マヌーフパンツ」ですけど、運動能力高い選手が履くパンツというイメージがあります。

ですよね(笑) 確かにそうですよね。

前は凄くピシっとしたムエタイパンツが格好良いと思っていて、デビューしたての頃はそれを履いていたんですけど、ある日を境にヒラヒラを履いたら凄く楽しくて自分も動けるようになったんです。

ーーあれはどういう感覚なんですか?

スカート履いているような感覚というんですかね?

たまにローをヒュッと避けた時に、足は逃げているんですけれど、一枚だけ残っているときがあるんですよ。それをバシンと蹴られるとヒラヒラっとスパッツが全部見えちゃうのが少し恥ずかしいなと思うことはあります(笑)。

ーーなるほど。身体能力が上がる感覚みたいなのは…

そうですね、パワーをもらってる感覚みたいなものは凄くありますね。

ーーそれでは少し核心的な部分に入りたいんですけど、クロスポイント大泉の師匠が元TARGET のトレーナーということで、間接的に天心選手とはつながりがあるんですよね。

僕が燃えているのは置いておいて、会長の外(※ほか)会長が TARGETのトレーナーだったことも含めて、打倒天心に凄い燃えていますね。会長に引っ張ってもらいつつ、僕も引っ張っている形ですね。

ーー応募するときにも会長と一緒での判断だったのでしょうか?

会長がGOするぞ、と言って。「よし!」という感じでした。

ーー元トレーナーだったということで、天心選手の手の内も伝わっているのでしょうか?

ただ天心選手は僕と同じだと思うんですけれど、毎試合毎試合テーマを持ってスタイルが変わっているので。

あの時ガードが低いなというときもあれば、別の時にはガードを上げて戦っているときもあるし。重心が前のときもあれば後ろのときもある。ステップしているときもあれば、ムエタイスタイルのときもあるというように試合ごとに変えている。外会長が見ていた天心選手とは全然違うなという印象です。

ーー最近の天心選手はパンチで倒す意識が強いと感じていますが、パンチへの対策はしていますか?

そうですね。パンチに対するディフェンスは自信がある方ではあるのですが、天心選手がパンチを当てられるのはキックをしっかり蹴れるという前提があるので、もちろんどちらも防がないといけないなと思います。

ですので、やっぱり大事なのはまず天心選手のスピードについていけるスピードじゃないかと。

ーー前回藤田選手はスピードで対抗できていたから、ダウンは取られたにせよ天心選手と戦えたという印象があります。他の選手はスピードで圧倒されて同じ土台に立てなかったのかもしれません。そこでキャット選手は自分なら同じ土台に立てるということでしょうか。

全く、仰る通りです。

ーーその上で天心選手を上回っている部分はどこになるのでしょうか?

実際対峙してみないと分からない部分はかなり多いです。

ラウェイのときも皆に色んなことを外野から「怪我するよ、縫うよ、血まみれになるよ」とか「頭突きが見えないから」みたいに言われましたけど、実際は全部見えてましたし、傷一つついていなかったので。

前に戦ったKOUMA選手も「パワー、パンチが物凄いから、アレと対峙したらエライことになるぞ」と言われたんですけれど、そこまでではなかったかなと。(※浜本キャットの判定勝利)

もちろん強かったですけれどね。そういうものもあって、天心選手も実際に対峙してみて、分かること分からないことがあるのかなと思っています。

ーー山口元気会長からは「正気か」と SNSで言われていたように、周りからはおそらく無謀な挑戦だと見られていると思いますけど、そこに関しては周りの目を跳ね返す意識はありますか?

もちろん。ただ山口会長はそう仰っていましたけど、「クロスポイントグループでは足が使えるキャットが、天心と相性が良いのではないか」と言ってくれています。

やっぱり体が頑丈というのが大きな条件というのがあって。会見では天心に「倒れる気なんだ」と言われましたけど、僕は基本的に倒れないので。倒れる気は全然ないし、奇跡を起こせると思っています。

ーー天心選手で恐ろしいなと思うのが、これまでの試合で底をまだ見せていないことです。ただ一方で「どこが底なのか」というのは見てみたいというファンも多いと思います。

正直、ウィサンレックとやった試合でも弱点がどこなのかがわかった部分はあります。藤田選手とやった試合でも「ここが少しこうなんだ」と思った部分があります。もちろん人それぞれ思うことはあるでしょうし、まだまだ引き出しもありますし。

ただそれでも僕がもっと底を引き出したいなと。ボディーで苦しんでいたり、「天心のこういう一面があるんだ」というのを。

(那須川を前にしても浜本は一切の気負いを見せることはない)

ーーこの試合は大会場、それこそ1万5,000人といった観客の前で、なおかつ間違いなくテレビ放送されることになると思いますが、それに対してパワーに変える自信はありますか?

僕は多分大会場に強いですね。集中がしやすいというか、大会場の方がお客さんとの距離が離れているように感じるんですよ。

逆に新宿FACEとかコンパクトな会場だと、僕は試合中に落ち着くタイプで周りが見えすぎてしまうことが多くて。試合中も「あの人、今つまらなそうな顔してるけれど、どうしよう」とか考えちゃうんです(笑)。

ただ大きい会場だと選手にスポットライトが当たりすぎて周りが見えないということがあって、TOKYO DOME CITYホールで試合をした時には物凄く集中した空間に入れたんです。だから大きな会場というのは得意だと思います。

ーーなるほど、なおさら期待感が増してきました。最後にファンの皆さんに一言メッセージをお願いします。

天心選手の相手がキャットだと決まって、「誰だ?また噛ませ犬か?」とか思われているかもしれません。

でも天心選手自身が「今は無敗だけれどいつかは負ける日が来る」と言っていますよね。それが今回になるんじゃないのかなというのは心の奥底には留めて置いて欲しいです。

浜本"キャット"雄大プロフィール

リングネーム: 浜本"キャット"雄大
生年月日 : 1990年2月14日 (27才)
身長・体重 : 167cm・55kg

高校時代まで勉強ばかりしていたと語る浜本は競技スポーツを経験せず、明治大学に進学するとキックボクシング部に入部する。

キックボクシングでは早くから才能を発揮し、大学2年時にプロに転向する。M-ONE、J-NETWORK、RISE、REBELSなど国内のムエタイ、キックボクシングの団体で試合をこなし、キャリアを積んできた。

また同時にグローブを付けず、頭突きが許される「地上で最も過激な格闘技」と呼ばれるラウェイの試合にも出場。2戦目にして日本人初のラウェイ王者に輝いた。

今回はRIZINが大晦日に開催するキックルールのワンデイトーナメントにて那須川天心の対戦相手を公募すると11月末に発表し、その呼びかけに浜本がいち早く名乗りを上げ対戦が実現している。

那須川を因縁の相手と語り、かねてより対抗意識を燃やしていた浜本は、下馬評では厳しい戦いが予想されるも大番狂わせの実現に自信を見せる。

  • 浜本"キャット"雄大 Twitter: @haminmin
クイール編集部 ◯文 text by Queel
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この記事へのコメント()

Yu5vhm2x
大澤 辰郎
2017/12/22 22:18

キックが好きだから、純粋に興行を楽しむのみっ。

Girl 2197992 960 720
ガレージキッド
2017/12/22 22:33

那須川の相手は1回戦がキャット、決勝が藤田(たぶん)で両方ともテーマがあるのが救いですかね。
苦戦するとも思えないけど、ワンデイだし何があるかはわからないか。

Missing avatar
うまお
2017/12/23 08:47

天心優勝でしょう。天心vs藤田ならキックでの再戦、天心vs砂辺でも来年MMAで再戦、藤田vs砂辺も来年MMAで再戦と、アングルがいくつも作られ、ファンは続きを観たくなる。そんな運営の狙いも見える。

Girl 2197992 960 720
ガレージキッド
2017/12/23 12:27

キャット君だけ蚊帳の外感が凄いw

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