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「憧れの五味隆典を越える」RIZIN日本人世代交代マッチに臨む矢地祐介、インタビュー

2017/12/24 15:46

大晦日のRIZINで世代交代マッチに臨む矢地祐介へインタビューを敢行。五味がUFCで戦っている間、RIZINで急激に頭角を表した矢地は新旧日本人エース対決に臨む。ワンマッチ最大の注目カードだ。

これほど象徴的な世代交代マッチは近年では珍しいかもしれない。

年末の祭典として2日間にかけて行われるRIZINは、男女トーナメントに加えて、キックボクシングトーナメントが加わったことで、トリプルトーナメントが中心となって開催される。

そしてワンマッチ最大の注目カードといえば、31日の第7試合に行われる「五味隆典 vs 矢地祐介」の一戦だろう。

五味隆典といえば、2000年代にPRIDEが日本人が活躍できる舞台として創設された「PRIDE武士道」において、並み居る選手を押しのけ一際輝きを放っていた。世界のMMAシーンにおいても紛れもないレジェンドである五味隆典だが、UFCに移籍後の戦績は芳しくなく、終盤には負けが続いた末にUFCとの契約満了を迎えた。

五味が異国の地で戦っている中、新たに旗揚げされたRIZINでは、五味と同じライト級で超新星が誕生した。その人物こそ、今回五味と対戦する矢地祐介だ。

昨年12月29日にRIZINデビューを果たした矢地祐介は初戦でわずか19秒でKO勝利。続く試合も元UFCのクルックシャンク、元戦極王者の北岡悟と実績豊富な相手から連続KOと、今乗りに乗っている男だ。

そんな中で実現した五味と矢地の一戦は、まさしく新旧日本人エースの世代交代マッチとなっており、矢地が勝利すれば日本人ライト級の新たなエースが誕生することになる。

今回は両者の対戦が発表された11月28日の記者会見後に、矢地祐介にインタビューを行い、五味との対戦に向けた心境を尋ねた。

憧れのレジェンド、五味隆典を越える

ーーRIZINで3連続KO勝利中と勢いに乗っている矢地選手ですが、RIZINにはフェザー級から1階級上げての挑戦だったんですよね。

そうですね。元々はフェザー級で試合をしていたんですが、パンクラスでライト級の試合を1試合して、そこからRIZINに参戦ですね。

ーーRIZINのデビュー戦はマニー・パッキャオのそっくりさんでしたよね。あれは衝撃的でした。

まあ、面白かったですね(笑)。パッキャオの偽物的な選手でいいコンテンツだったと思います。

ーーパッキャオに似ていることでやり辛さとかもあったんじゃないですか?

似ているな〜しかも意識しているな~この人っていうのはずっと感じていてニヤニヤしちゃいましたね。

ーーでも試合は凄い秒殺勝利だったじゃないですか。それまで矢地選手は判定が多かったという印象がもあったんですが。

そうですね。ずっと勝ちにこだわって試合をしてしまって、判定ばかりでした。今考えると減量が辛くて気分がノッていなかったというのもありますね。

ーー大舞台に強いのかなって印象も受けたんですが。

それは自分で言うのもなんですけれど大舞台には強いんです(笑)。

緊張もしないんですよね。それも楽しさに変えれちゃうタイプなので、もう楽しんじゃおうって感じで臨めています。

だから会場がデカくなればなるほど、注目されればされるほどテンションが上って自分が出る感じですね。

ーーそして2戦目がダロン・クルックシャンク戦ですね。相手は元UFCファイターで評価も凄く高かったじゃないですか。あの試合にプレッシャーはなかったんですか?

ないですね。相手のほうが格上だし自分が胸を借りる立場だったので、そんな良いカードを組んで貰えることを楽しもうって。

ーーでは試合前に怖さとかも感じないタイプですか?

いや、もちろん怖さはありますよ。負けたらどうしようとか考えますけれど、試合当日になったらせっかくこんな大舞台でやれるんだから楽しむしかないでしょう!って。そんな感じにシフトチェンジできますね。

ーークルックシャンク戦は失神KO勝利で衝撃の試合でしたね。

気持ちよかったし、俺自身もビックリしました。あんな倒し方するとは自分でも思っていなかったので。

もちろん打撃戦の末に競り勝ちたいな、競り勝つだろうなって思っていたんですけれど。あんなバコンって当てて一発KOになるとは思っていなかったんで、たぶん俺が一番ビックリしていたと思います(笑)。

ーー正直あの試合が終わってこれは俺の時代が来たなと思ったんじゃないですか?

いやいや、まだ掴めるかなって希望が見えてきた感じですかね。これでやっと俺を知って貰えるなって感じです。

ーー3戦目は北岡悟選手との対戦でした。これは流石にプレッシャーがあったんではないでしょうか?

これも結局は相手のほうが格上だし、俺は思う存分にやって喰うだけだったので。なんていうのかな、デメリットがなかったんですよ。

世間は矢地負けちゃうのかなって思っていて、そうなると勝ったらいいことしかないっていう。

ーー挑戦者の立場だったわけですね。

そうですね。だから気持ち的に楽でした。

ーースタンドのパンチの連打でKOした訳ですけど、勝った瞬間はどうでした?

もちろん嬉しかったですよ。北岡選手は昔から名前も実力も知られている選手だったので、「あ、矢地なかなかやるな」っていうのが世間に名実共に知れ渡ったと思うので。

そういう意味では嬉しかったですね。やっと俺を知って貰えるというか。ただのポッと出じゃないんだってことを知って貰えたのかなって。

ーーあの試合でRIZINの70kg級エースは矢地選手だって感じになったと思うんですが、本人としてはそれは感じました?

いや、まだね、70kg級で日本を引っぱってきた選手は沢山いますよ。そのうちのひとりが五味さんだと思うし。

そういう人たちを全員倒さないと、自分の中ではまだまだだぞって感じですね。

ーー現在は絶好調の矢地選手ですが、ブログにはこれまではネガティブに試合を行っていたけど、最近は凄く試合を楽しめているから結果が出てきたと書かれてましたがそれはどういうことなんでしょう?

さっきの減量の話に戻るんですけれど、フェザー級時代は減量がハードすぎて試合の2ヶ月半前くらいから減量生活をしていました。トータルでいうと20kgオーバーの減量ですよ。

だからそういう期間が続くと身体の調子も悪くなってくるし、メンタルがどうしてもやられちゃって後向きになっちゃって。それが試合にも出ていましたね。負の連鎖でした。

でもそれが階級を上げて減量からはある程度解放されて、格闘技というものを純粋に楽しめるようになったというか、試合そのものを楽しめるようになったのが一番の要因かなと思いますね。

ーーそれがタイミング的にはRIZINに出場される時期だったんですね。

そうです。それとRIZINの勝ちだけではなくて、例え負けてたとしてもお客さんがまた見たいと思うような試合をすれば試合をさせて貰えるじゃないけれど、勝っても負けてもファンが喜ぶ試合をしていこうよみたいな空気があるんですよ。それがマッチしたんですね。

じゃあ俺は思いっきり楽しんでやろうっていう。

ーー勝ちに今までこだわっていたけど、それが変わったから逆に結果がついてきた形ですね。

もちろん勝つつもりでいきますけれど、そこにこだわらなくなった。勝つのは大前提だけれど、格闘技を楽しんで、皆さんにも面白い試合を見てもらおうって意識に変わりましたね。

みんなに楽しんで貰う試合をするには自分が一番楽しまなきゃ絶対伝わっていかないだろうなって。考え方をチェンジしました。

負けることを恐れないで楽しもうって気持ちで試合をしたら、逆にいい具合に試合が転ぶようになったんですよね。

ーー今は大舞台で絶好調な訳ですが、注目度も上がりプライベートでも凄いモテるようになったとも聞きました。

それ、誰が言ってたんですか(笑)。モテないっすよ。

ーーいや〜、あれだけの勝ち方をしていてルックスもカッコいいのでモテますよ。

いやいや、ホントっすか。どうなんですかね。

まあ街を歩いていて声をかけて貰えるようになりましたね。「あ、RIZINの矢地選手ですよね」っていうのは増えました。圧倒的に。

ーーモテ度でいうと人生でも絶頂期ですよね?

まだまだですよ。大晦日に勝って、地上波で放送して貰って、そこからじゃないですか?そこからがスタートですよ。

ーーそこも野心がある感じですね(笑)。あと矢地選手といえば試合中に髪をかき上げすぎという声もよく聞きますね。

あ〜それね。もう身内からも言われますし、色んな人からつっこまれていますよ。

ーーやはり試合中は邪魔なんですか?

前回は全然邪魔とは感じていなくて、無意識でやってました。あの頃は髪の毛を伸ばしたくて、伸ばすためには切っちゃ駄目じゃないですか。

それで前回の試合はちょうど狭間だったんですよ。これを超えたらどんどん伸ばしていけるぞってところで、じゃあ我慢して出ようって。

ーー今はかなり伸びていると感じるんですが、試合の日は後ろで結ぶという選択肢もあるんでしょうか?

結べるようになったら結びたいんですけれど、大晦日ではまだ結べなさそうなので編み込むとか、どうするか考えてます。

ーーでは髪型も今までとは大きく変わるかもしれないですね。

そうですね。大晦日はガラッと変わるかも。

ーーあと矢地選手といえばヤッチくんポーズですよね。あれはどういう経緯で誕生したんですか?

(人差し指と中指を立てて眉につける「ヤッチくんポーズ」は今やおなじみとなっている)

あれはうちのジムの先輩とかが「俺のポーズだぜ」みたいな感じで写真に写るときのお決まりのポーズがあったんですよ。それを見て俺も何かポーズが欲しいなって。

それで最初は敬礼をやってたんですけれど、指2本とかにしたほうがいいなとか試行錯誤して今のポーズを作りました。

ファイターってみんなファイティングポーズじゃないですか。それは嫌だったんでなにか考えようって。それでこれに行き着きました。

ーー矢地選手はそういうところも独特のキャラクターを持ってますよね。

人と違うことをやりたいですよね。

ーー試合後に満面の笑みであのポーズをできる選手は他にいないですよ(笑)。

楽しんでいますから(笑)。

あのポーズも段々浸透してきて、写真でも「あのポーズしてください」って言われるので嬉しいっすよね。大晦日も勝ってあのポーズで決めたいですね。

ーー前置きが長くなりましたが、これから大晦日の五味選手との試合についてお聞きしていきます。まずは矢地選手はSNSで五味選手に対戦要求をしていましたね。

対戦要求になってるんですけど、まあ、あれはいろいろ思うところあって。

ーー会見では五味選手のことを昔から大好きだったと矢地選手はコメントしていました。矢地選手にとって五味選手はどんな存在だったんですか?

ほんとにヒーローというか憧れの存在でしたね。PRIDEをかじりついて見ていたんですけれど、やっぱ俺の中ではPRIDEと言えばヒョードル選手、五味選手みたいな感じだったんですよ。

当時のPRIDEで活躍していた選手は海外の選手が主体で日本人はあまりいなかったじゃないですか。重い階級が主体でしたし。

そこで武士道という軽量級で五味さんが強い海外の選手をバシバシ倒していった。やっぱり同じ日本人として嬉しいじゃないですか、日本人の活躍を見るのは。だから、五味さんは本当に憧れでしたよね。

ーー本当に特別好きな選手だったんですね。今回は憧れの選手との試合が世代交代マッチと言われていることについてはどうですか?

まさにその通りの世代交代マッチだし、エース交代マッチだと思って俺は臨むつもりです。70kgのエース交代。

ーー今回は注目度も高いですし、憧れの選手とやれるのは喜びのほうが大きい感じですか?

そうですね。それはもちろん嬉しいですよ。

ーー五味選手との試合はいつから狙っていたんですか?

クルックシャンクに勝ったくらいですかね。RIZINに70kg級の選手がそのときはいなくて、次は誰とやるんだろうなって。

日本人なら北岡さんかなとか話している中で、五味さんもUFCから帰ってきたらあるんだな、ていう会話もあって。

ーーでは1年で最も注目の集まる大晦日の舞台で五味選手とやりたいっていう希望はあったんですね。

そうですね。叶いました。

ーーしかし五味選手は最近の試合で正直結果はでていないじゃないですか。今は連敗していますがその試合を矢地選手はどう見ていたんですか?

やっぱり俺はファンだったんで、どの試合も五味さんのスカ勝ちを期待していましたよね。たとえ連敗していても次こそはって思いで見ていました。

スカ勝ち頼むよって。いつも期待しながら見ていましたね。それくらい好きでした。

PRIDEが好きだった人は皆そうなんじゃないですか?次の相手も強いけど、でも五味さんならスカ勝ちあるぞみたいに見ている。俺もほんとその内の一人でした。

ーーUFC日本大会は見に行かれたんですか?

現地まで行きました。もう会場の盛り上がりが凄くて。五味さんが登場したら雰囲気が変わるじゃないですか。あれは本当に凄い。

ーーそんな憧れの選手と対戦することは今までの試合とは心境が違うのかなって気がするんですが。

まあ、そこは一対一の勝負なので。もう向かい合ったらいつもと変わらずですよね。誰が相手であろうと。

ーー五味選手とはどんな試合をやりたいですか?

わかりやすく打撃で真っ向勝負をしようと思っています。

ーーということは?

大晦日は判定じゃなくKOでしょ!

ーー五味選手へのリスペクトを感じるコメントをして頂きありがとうございます(笑)。

パクリじゃないけれど、大晦日は勝ってそのコメントを言ってやろうと思っています(笑)。

ーー対戦発表会見では五味選手と初対面となりましたが、五味選手の雰囲気はどうでしたか?

雰囲気はありましたよね。まだ一ヶ月以上あるけどもうスイッチ入っているんだっていうのは感じました。

ーーフェイスオフでも五味選手は視線を合わせませんでしたよね。

ずっと下を向いていたんで。でも昔から五味選手はあんな感じですよね。

ーー特に日本人対決だと五味選手はそうですよね。でも昔から自分が五味選手とこうなるとは想像されていたんですか?

それはしていなかったですね。全く想像していなかったです。

でも戦いたかった相手だし、やるならこのタイミングだなって思っていました。

やっぱりUFCから帰ってきて一発目の大晦日っていう。ここを逃したら逆にいつやるんだろうって感じになっちゃいますし。

ーー矢地選手はRIZIN参戦からちょうど1年となりますが、今回は大晦日屈指の注目カードに出場することになりました。ご自身でここまでブレイクするとは思っていましたか?

どうですかね。自分では自信を持ってやっているので、だから俺の時代はいつか来るとはずっと思っていましたね。

絶対にどこかのタイミングで俺の時代が来るとは胸に秘めてやっていました。

ーーそれが今年だったと思うんですが、矢地選手としては想像より早かったのか遅かったかといえばどうでしょうか?

どうなんだろう。時間がかかったようにも思えるけれど、RIZINに参戦してからは1年なので早かったんじゃないんですかね。

ーー五味選手をKOして4連勝となったらRIZINの看板選手ですよね。

そうですね。狙っていきますよ。まずは日本で有名になりたいですね。

ーースター選手にはこの試合でブレイクしたという転機の試合がありますが、矢地選手にとっては今回の五味戦がそうなるかもしれません。

そうですね。ターニングポイントになる試合だと思っています。

超えなければいけないですね。格闘技の未来のためにも。本当に新しいスターが出てこないと格闘技界も回っていかないので。

ーー来年はRIZINでどんな存在になりたいですか。

来年のことは考えたくないけれど、五味選手に勝てたら来年はどんどん強い選手とやりたいです。

それこそ(堀口)恭司がフライ級のトップはRIZINにあるって言っていたように、70kgも俺を目的に海外から強い選手が来てそれをばったばったと倒していきたいですよね。

ーーそういえば堀口選手は元チームメイトですよね。やはり意識はされるんですね。

年齢も27歳でタメだし意識はしますよね。

ーーじゃあ、来年はRIZINを引っ張るツートップですね。

そうなれたらいいですね。

ーー最後に全く関係ない話なんですが、矢地選手の趣味って何なんですか?

ここで趣味っすか?まあ、スニーカー集めることですかね。

ーーお!今日もお洒落ですよね。

そうなんですよ。スーツだけどスニーカーで登場しました。

ーースニーカーは何足くらい持っているんですか?

今は100足いかないくらいかな。ピークは200近かったけれど、だいぶ壊れたり捨てたりして減りました。

ーええ!絶対そんなにいらないと思うんですけど、なんでそんなに持っているのでしょうか?

なんでなんでしょうね(笑)。単純に好きだからだとは思いますが。収集癖というか。

ーー見るのが楽しいんですか?

そうですね。履くのも好きだけれど見るだけのもあるかな。収集癖っすよ。

ーーではRIZINでも誰々に勝ったとか、その実績をこれからも収集していきたいですね。

まあ、そうですね(笑)。コレクション・・・?これから増えていくように頑張ります。

矢地祐介プロフィール

名前 : 矢地 祐介
生年月日 : 1990年5月13日 (27才)
身長・体重 : 176cm・70kg

全日本アマチュア修斗選手権の優勝を経て、2009年に修斗でプロデビュー。

その後は順調にチャリアを積み重ね、修斗環太平洋ライト級王座を獲得したほか、グアムの総合格闘技イベントであるPXCでフェザー級王座を獲得するなど、65kg級前後の日本人ホープとして活躍した。

そして昨年末より階級を70kgに上げてRIZINに参戦すると、デビュー戦で秒殺KO勝利を収めて鮮烈な初登場を飾った。

今年はRIZINで元UFCのダロン・クルックシャンク、元戦極王者の北岡悟と、実績では格上となる強豪選手からいずれもKO勝利を収め、一躍RIZINのスター選手として注目を集めることに。

今年の大晦日はかつてPRIDEの軽量級を象徴するスター選手として活躍した五味隆典を相手に、70kg級の世代交代マッチともいえる一戦に臨む。

クイール編集部 ◯文 text by Queel
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この記事へのコメント()

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サラマンダー
2017/12/25 10:25

矢地が勝利するのが目に見えているカードなんだけど、五味は全盛期の印象が強烈だったので夢は見てしまう。

入場曲が元に戻っていたらいいですね。会場爆発ですよ。

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