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小見川道大インタビュー「今が一番、格闘技が楽しい」巌流島で菊野克紀とのエース対決を控える

2018/01/02 22:35

1月3日(水)に行われる『巌流島 宿敵同士の果し合』に菊野克紀との対戦を控える小見川道大。柔道からMMAの世界へ飛び込み、世界最高峰のUFCにも挑戦した小見川だが、巌流島で戦っている現在が最も格闘技を楽しんでいるという。

巌流島が1月3日、舞浜アンフィシアターにて『巌流島 OUT ENEMY 2018 in MAIHAMA─謹賀新年、宿敵同士の果し合』を開催する。年末の格闘技イベントの熱も冷めやらぬ中、巌流島が早くも2018年の幕開けともいえるイベントを行う。

同イベントのメインイベントには、巌流島エース対決として「菊野克紀vs小見川道大」が実施される。共に武道をバックボーンに持ち、MMAではトップレベルで活躍後、現在は巌流島を主戦場としているという共通点がある。両者は2016年10月に巌流島の舞台で対戦しており、この時には菊野が一本勝利を収めている。

菊野は強さへの追求から巌流島を選んでいるが、小見川は格闘技を楽しめる舞台として巌流島を選んだという。それぞれの巌流島への思い、そして宿敵と認めた同士の対戦が1月3日についに行われる。

「今が一番、格闘技が楽しい」

ーー小見川選手といえばUFCやDREAMなど国内MMAのトップクラスで活躍されてきてましたが、なぜ巌流島に参戦するようになったんでしょうか?

やっぱり自分のスタイルに合った道着ありというルールが大きかったですね。僕は柔道を昔からやっていたので、それを格闘技に活かせるのであれば面白い戦い方ができるんじゃないかなと思いました。

ーー国内でも連勝されていましたし、RIZINという国内MMAの大舞台に出場するという選択肢もある中での参戦でしたよね。

タイミングですよね。UFCをリリースされてからも日本で試合はしていたんですけど、あまりMMAにこだわるという気持ちはなかったんですよ。他も色々と試してみたいと思っていました。

挑戦してみたい気持ちがあったんですよ。例えばシュートボクシングに出場してみたりとか。

ーーUFCという世界トップの団体を経験したので、MMAではひとつやり尽くしたというのもあるのでしょうか。

僕の環境が変わったのが関係しているんですかね。三年前に道場の経営を始めたんですよ。

そこでテレビに出て有名になりたいとかでもなくて、何か今の状況の中で自分が楽しめたらいいかなって思うようになりました。

挑戦は自分の趣味ですよね、完全に(笑)。

ーー趣味ですか(笑)。

そうですね。なんでも楽しみたいって気持ちが強いので。

ーーそこで選択した巌流島は色々な競技であったり流派の選手が出ている舞台じゃないですか。そこに面白さを感じたという部分もあったんでしょうか?

いや、そういうのはないですね(笑)。僕は柔道をやっていたので、道着ありで戦うルールも面白そうだし、ここでなら色々な戦い方ができるんじゃないのかなって思っただけです。自分への追求心が大きいですね。

ーー純粋に楽しみたいという部分が多かったんですね。あと巌流島といえば色々な流派を背負っての戦いというイメージが強く打ち出されていますが小見川選手と言えば柔道です。改めて柔道時代の実績を教えてください。

柔道ではユニバーシアードで優勝したりとか、その他の国際大会でも上位に入賞していました。

ーー柔道は何歳くらいから始めたんですか?

小学校1年の時なんで6歳です。地元に名門と言われる道場があってそこにたまたま通うようになったというのが最初ですね。

そんな中でやっていたのもあって、小さいころから強さへの追求というのが育っていきましたね。

ーーDREAMに参戦した時の煽りVTRで、小見川選手は柔道時代を”悪かった”と表現されていましたが。

あれは説明が難しいんですけど、柔道時代は海外の選手と殴り合ったりとかはありましたね。そういう感じです。

ーー殴り合いというワードは気になりますが、別に路上で悪かった訳じゃないんですね。

そうですそうです。路上では全く悪くないですよ。柔道をやっているので外で喧嘩するなんてことは一切ないです。一般の人にそんなことしちゃったら不味いじゃないですか。

ーー”伝説の喧嘩師”と呼ばれる高谷選手との試合で、喧嘩屋対決みたいな表現がされていたので勘違いをしていました。

あのVTRでも柔道の中ではって言っていたじゃないですか(笑)。素人の喧嘩と柔道のアスリート同士の戦いを比べるのは違うでしょって趣旨だったんですよ。

ーーそういうことでしたか。でも海外の選手は殴ってたんですか?

国際合宿とか行くと熱くなるんですよね。ヨーロッパの国で一緒に練習すると凄い上から目線で来るところがあったんですよ。

そんな態度で来られると、僕も日本の柔道を舐めるなよってなるじゃないですか。

ーーそういうことなんですね。国内では大人しかったと。

悪かったと言っても、合宿中の夜に抜け出して遊びにいったりとかそのくらいですよ。

ーー健全な悪さなんですね(笑)。

健全ですよ(笑)。街で喧嘩なんてしないです。

ーーそれでは話を戻して巌流島での戦いを振り返って欲しいんですが、初戦がいきなりワンデイのトーナメントでしたね。全く未知の舞台で戦った感想はどうでした?

う〜ん、初めてなんですけど不思議と初めてという感じはしなかったです。

何故か凄く気持ちがいい感覚でした。雲の上で戦っているようで。自分は雲の上まで来たのかっていう感じですよね。

ーー巌流島は闘技場の周りにスモークを焚いているからですかね。

あと巌流島はリングとか金網とかじゃないから遮るものがないじゃないですか。それでやっている僕は心地いいんですよね。俺かっこいいじゃんって。

ーーその開放感は柔道時代に近いんでしょうか。

いや、全然違いますね。僕は有名になるとか勝ちたいって感覚をもう超えているんですよ。

勝てればいいんですけど、そういうのを超えて今は自分の戦っている姿がただ単にかっこいいなって。

ーーそれは巌流島という舞台だから感じられることなんですか?

そうですね。巌流島は道着があるので、他の舞台にはない僕流の戦い方ができるのが気に入っています。凄く面白い舞台ですよ。

ーー小見川選手としては道着を着ているほうがしっくりきますか?

どっちもしっくりきますけど、道着を着ると裸とは違った感じがします。見た目的にも締まりますよね。

道着を着て立っているじゃないですか。それでMMAのグローブを着けている。自分は柔道をずっとやってきて、そこからMMAに転向していった。

そういった経緯もあって、今の自分を一番表現できる舞台が巌流島なのかなとは感じますね。

ーー初参戦となったトーナメントでは菊野選手と対戦しました。あの試合は初の舞台ということもあり、決勝までに疲労もあったんでしょうか?

トーナメントって決勝まで楽に勝ち上がるというのがまずないと思うんですよね。一試合一試合相手と向き合うので精神的にも凄く消耗します。

ただ身体の痛みとかは菊野選手のほうが大きかったんではないでしょうか。

ーー初めて戦う武闘家、流派の選手と戦うというのはどうでしたか?

どんな武闘家と戦うとかは気にしたことがなくて、テーマとしてはそれに対して自分をどう出すかですね。相手は誰でもあまり関係ないです。

ーーですが相手が何をやってくるのかがわからない怖さなどはありませんでしたか?

そういうのも想定しながら試合の練習をしていました。

巌流島のトーナメントは1日3試合なので1回戦はこういう相手だからこう、2回戦はこう、決勝は菊野選手だからこうやって戦うみたいなことはしていました。

ーーでは準備もあったので特に面食らうことはなかったわけですね。でも選手のタイプが全く異なるのでMMAに比べて準備も大変そうですね。

そうですね。でも練習をしていて面白いですけどね。次の相手はこれ、その次はこれみたいな。

色々な選手がいるからそれに合わせた想定をするのは面白いですよ。ドラゴンボールみたいで。

ーーどんな選手が上がってくるのかも楽しめると。

その準備で色々想定した上で本気の試合があるわけじゃないですか。なので面白いですよ。

ーーその次は体格差マッチでしたね。相手はスーパーヘビー級の選手で。プロでは初めての経験だったと思うんですがいかがでしたか?

最初は凄く怖かったですね。

ーー柔道時代に無差別級は経験していると思うのですが、やはり違いはありましたか?

相手はキックボクシングの選手でパンチも上手かったので、いいのを貰ってしまったらヤバいなとは思っていましたね。

ーーしかし試合は投げ技を決めての快勝でした。

組んでしまえば長年やってきたものが出ますからね。組むだけで相手の体重がどこにかかっているのかもわかりますし、どう崩せば投げれるのかもわかります。

だから組むまでに貰う怖さはありましたけど、組んでしまえばという気持ちはありましたね。

ーーまた無差別級の試合もあるかもしれないですね。

そこはもういいんじゃないかな(笑)。タイミングと相手次第ですけど。

ーーこの勝利もあり小見川選手は巌流島で存在感を放つ選手となったところで、菊野選手との再戦が決まりました。話が来たときはどんな感想でしたか?

負けた時から彼とはもう一回やりたいと思っていたんですよ。もう負けた瞬間から自分の身体はまたやりたいと動いていました。

これまで負けた試合ではそんなことはなかったんですけど、菊野選手の試合はそう感じました。だからついに来たかって感想でしたね。

ーそれは試合でなにか特別なことがあったからなんでしょうか?

純粋に菊野選手が強かったということもありますね。三日月蹴りを喰らっちゃったけど、負けた後の身体はいやいやもっとできるよって感覚でした。

やっていて楽しかったですからね。

ーーそれがあって再戦を直ぐにでもやりたかったということなんですね。以前から気になっていたんですが、菊野選手が小見川選手のことを「小見川先輩」と呼ぶのは何故なんでしょう?

昔は吉田道場に所属していたんですけど、吉田道場の選手はみんな高阪選手が代表のアライアンスに出稽古に行っていたんですよ。そこで菊野選手と知り合って、それから先輩と言ってくれるようになりました。

ーー仲も良かったんですか?

良かったというか、この試合が発表される時の会見でもずっとしゃべりっぱなしでしたから(笑)。

ーーそれ出しちゃっても大丈夫なんですか?

大丈夫ですよ。試合はそういうものではないので。彼もそうだと思うんですけど、試合では別の自分になるんですよ。

相手が兄弟であっても試合をする時になれば敵になりますが、それは試合が迫ってきてからですから。

ーー仲の良い相手と対戦するのも問題ないんですね。MMAでは仲の良い選手と対戦した経験はあったのでしょうか?

…ないですね(笑)。

ーー今回のイベントのテーマは「宿敵同士の果し合」なのですが、菊野選手は小見川選手にとって宿敵なのでしょうか?

宿敵ですね。だって自分より強い奴だから。

それも2度対戦したら明確になるじゃないですか。1回目は彼が強かった。だからもう一回やってみます。

ーー空手vs柔道っていう両選手のバックボーンも宿敵対決感はありますよね。

自分はこの試合が空手vs柔道だとは思っていないです。

僕が言っている「NEO柔道」は「小見川道」なんですよ。

ーー小見川道?

そうです。今回の試合は小見川道vs菊野道の戦いです。

向こうは空手と思っているかもしれないですけど、自分はパンチで倒しているから柔道だけではないじゃないですか。

ーーたしかに柔道だけには留まらないですね。

自分のやっているのはNEO柔道なんですよ。

柔道がまだ古流柔術だった時って当て身とかもありましたよね。

NEOっていうのは2つの意味があるんですよ。「新しい」という意味と「復活」という意味。日本語で言うと温故知新です。

それを自分は戦いの中で体現しようとしているんです。

ーー話は菊野選手との試合に戻りますが、発表会見の時に小見川選手は「この試合は未来の為の戦いになる」とコメントしていましたが。

これは交わらなければいけない道だと思っているんですよ。

この先、僕達の戦いをみて「凄いな」と夢と希望を子どもたちに与えられるような試合をして、その子達にも頑張って欲しい。まずはそういう意味での未来ですね。

あとはこの戦いで勝つか負けるかはわからないですけど、試合後に自分がどういう心境になるのかが楽しみなんですよ。

まあ、この試合はシンプルに楽しみです。

ーー巌流島の舞台が楽しいと言っていたことにもつながりますが、小見川選手としては今が一番格闘技を楽しめている時期なんでしょうか?

楽しいですよ(笑)。

総合格闘技の試合、特にUFCの時は勝ちにこだわらなければいけないという意識が強くて、勝ちに行かなきゃって気持ちで戦っていました。

そうなると自分というものを殺しながら勝ちに徹する戦い方をしなければならず、自分で模索しながらやっていました。でもそれって違うんだなって最近気ずきました。

自分を出せなかったから勝てなかったんだなって。

ーー今は柔道の道場も運営されていますが、その環境の変化などはどう感じていますか?

これも面白いですね。子どもたちを指導しながら見ていると学べることが多いんですよ。

ーー昔から柔道の道場は作りたいとは思っていたんですか?

思ってましたね。もう小学校5年生の頃の作文にはそう書いていましたね。

柔道の素晴らしさを伝えたいって書いていました。それくらい柔道というものをリスペクトしていたんです。六年生なりに。

ーー小学生時代になぜそう考えるようになったんでしょう。

僕の通っていた道場が良かったんでしょうね。先生も。じゃないと素晴らしいとは思わないですよね。

ーー今は小見川選手が指導者という立場となりましたが、道場に通う子供たちに何を伝えたいですか?

色んなことを経験させたいですね。あとは子どもたちに、柔道を教えている先生も戦っているんだよってことを見せてあげたい。

いつも道場で怒鳴り散らしている先生がどんな戦いをするんだっていうのを見せて、言ってるだけじゃないんだよって(笑)。

勝負って高め合いだと思うんですよね。潰し合いではなくて。

恋人みたいに毎日対戦相手の事を思って準備する訳じゃないですか。相手を超える為に、それで高め合っていくので。試合の結果は勝ち負けがありますけど、負けても次は頑張るぞってなるじゃないですか?

勝ち負けも超えてしまうんですよね。それくらい気持ちよくなってしまう。そういう経験を子供たちにもして欲しい。

ーー小見川選手にとって菊野選手との試合は高め合いなんですね。

高め合いですよ。潰し合いじゃないです。

潰してもしょうがないですよね。あくまでも競技の中での戦いです。相手ってそうなんですよ。

格闘技の試合って潰し合いだと思いますか?自分は違うと思いますね。

ーー格闘技の試合は殴り合いという一面もある中で、白黒がはっきりするので試合の後に仲が悪くならないのかなと心配にもなるんですが。

ならないでしょう。菊野選手とも。そういうのが格闘技のいいところじゃないんですかね。仲悪くなる人っているんですか?いないと思いますよ。

ーーでは改めての質問になりますが、1.3の巌流島での菊野選手との試合はどういう部分を見て欲しいですか?

一番は気持ちですよね。相手に向かっていく気持ち。

いかに自分の練習したこと、小見川道を出せるかですよ。

ーー最後に試合を愉しみにしているファンにメッセージをお願いします。

1月3日は小見川道大を見に来てください。

ーーあと今回の試合とは関係ない質問になってしまうんですが、小見川選手はMMAの試合にはもう出場しないんですか?

いやいや、MMAもやりたいですよ。何言ってるんですか?

やりたいことはたりたい内にやりますよ(笑)。

小見川道大プロフィール

バックボーンとする柔道ではユニバーシアード競技大会優勝、ハンガリー国際優勝など国際大会で複数の優勝を経験。柔道強化指定A選手になるなどトップレベルで活躍した。

そして2005年にMMAへと転向を果たし、吉田道場所属選手としてPRIDEでプロデビュー。初戦でアーロン・ライリーにKO負けを喫するなど、キャリアは序盤は苦しんだが、2009年に参戦した戦極のフェザー級トーナメントで準優勝に輝き、フェザー級を代表するファイターへと成長した。

その後は国内のメジャー団体だったDREAMや、世界最大のMMA団体であるUFCなど大舞台を渡り歩き活躍。デビューから10年以上に渡りMMAの大舞台で存在感を放ってきた。

そして2016年10月に巌流島に初参戦を果たすと、アジアの強豪武術家を集めて開催されたトーナメントで準優勝を飾った。

2018年1月3日に行われる巌流島ではそのトーナメントで敗れた相手である菊野克紀とのリベンジマッチに挑む。

クイール編集部 ◯文 text by Queel
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