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KNOCK OUTに初登場するスアキムとはいかなる選手なのか。万全の状態なら那須川を喰う可能性が高い。

2018/01/16 12:12

2月のKNOCK OUTで那須川と対戦するスアキムは、一部のムエタイファンを除いて日本の格闘技ファンにはあまり認知されていない。一方でその実力は紛れもないトップ選手であり、スーパーバンタム級では規格外の体格を持つだけに那須川を本気で喰いかねない強さを持つ。

"神童"那須川天心が2月12日(月・祝)の『KNOCK OUT FIRST IMPACT』で対戦するスアキム・シットソートーテーウとはどんな選手なのか。

KNOCK OUTによるリリースでも「神童・那須川天心、過去最強の相手との対戦」、「ついに那須川天心に落日の時が来るのか」と紹介されているように、スアキムは那須川を破る可能性を十分秘めた過去最高の実力者だ。

しかしスアキムは日本では一部のムエタイファンに知られているのみで、獲得タイトルの元ルンピニースーパーバンタム級王者、現プロムエタイ協会スーパーフェザー級王者という肩書だけを見てもなかなか一般のファンに伝わりづらいかもしれない。

そこで本記事ではスアキムがどのような選手なのか詳しく紹介すると共に、那須川との試合展望についても言及したい。

スーパーバンタム級では規格外の体格を持つトップ選手

スアキムのプロフィールについておさらいすると、公式の情報が少ないため、独自に得たデータによると昨年6月時点で21歳、身長は175センチ、戦績は63戦50勝13敗となっている。

那須川との対戦は55.7kgとスーパーバンタム級の階級となるが、スアキムは当初スーパーバンタム級を主戦場としており、ムエタイ最高峰であるルンピニースタジアムのスーパーバンタム級王者に輝いている。

タイのムエタイは賭け事の対象であるため、実力が不均衡だと賭けが成立しづらく、飛び抜けた実力者は試合が組まれづらいという憂き目にあうが、まさにスアキムはそれを理由にスーパーフェザー級に階級を2つ上げている。

現在は59kgのスーパーフェザー級で戦っているが、175センチの身長に加えて手足も長いため、この階級でも十分体格の利があり、スーパーバンタム級ではなおさらのことだろう。肉体的な成長を経てスーパーフェザー級に適応した現在では減量幅が大きくなるのではという懸念があるものの、タイでは試合数が多い上に当日計量であることから、大きな減量幅となることはほとんどなく、日本式の前日計量ならば十分落とせる体重のはずだ。

スーパーフェザー級ではプロムエタイ協会の王者、ならびにルンピニースタジアムの8位に付けている。プロムエタイ協会は二大殿堂のラジャダムナンに並ぶほどの価値があるとされるタイトルで、日本では福田海斗が獲得したのみとなっている。

またルンピニー8位となっているが、この階級では現王者のナウポンとは今年の1月9日に対戦したばかりで、試合はスアキムの圧勝に終わっている。サウスポーのナウポンに対して遠目からの右ミドルや強烈な右ストレート、近づけば肘打ちや首相撲で試合を優勢に進めると、3Rには肘で出血に追い込み、4Rに左肘をアゴに炸裂させてのTKO勝利を飾っている。

昨年にもスーパーフェザー級の頂上決戦と言われたペッダムとの一戦に完勝するなど、まさに本場タイにおける紛れもないトップ選手と言える実力者だ。

好戦的で日本向きのファイタータイプ

ムエタイの試合は日本のキックボクシング、とりわけアグレッシブに攻めてKOを狙う選手が多いKNOCK OUTと比べるとゆったりとしたペースで、一定の距離を保って駆け引きをする傾向が強いが、スアキムはその中でも好戦的に相手を倒しにいくスタイルとなっている。

ムエタイで実績を残していても、日本の試合では「日本向きかどうか」という適性がまた問われることになるが、その点でスアキムは日本のルールへの適応度は高いと予想される。ムエタイでの駆け引きという点で言えば、パンパヤックやガオナーといった選手と比べると劣るところがあるが、日本的なアグレッシブな試合をした場合、これらの選手に優る可能性は十分にある。

好戦的な試合を勝ち切るタフさに加えて、守りから攻撃に一気に転じる速攻力の高さ、カウンターパンチの上手さも兼ね備えており、決して単調に攻めるだけの選手ではない。

那須川は体格差をいかに覆すか

那須川とスアキムの対戦にあたって一番ネックになるのはやはり体格差だろう。タイのプロフィールでは175センチとなっているスアキムは、那須川よりも10センチの身長差があり(※KNOCK OUT公式プロフィールでは7センチの差)、手足が長くスーパーフェザー級でも体格の利があるだけに、那須川と並んだ時には一回り以上の体格差が生じるだろう。

サウスポーを苦にしないスアキムは遠目からワンツー、右ミドルでペースを握る展開が予想されるが、那須川としてはいかに懐に入り込むか、あるいはスピードで翻弄するかが問われ、真っ向から応戦すると体格差でズルズルと劣勢を強いられかねない。

ムエタイの現役王者との試合といえば、那須川は2016年12月の旗揚げ戦で現役ルンピニー王者のワンチャローンから1RKO勝利を収めているが、ワンチャローンはスーパーフライ級の選手で、身長も160センチと那須川より2階級下の選手だった。

那須川は突きのようなジャブを交えつつ、スピードを活かした波状攻撃でワンチャローンを攻め込み、最後はバックスピンキックで沈めたが、スアキムとの対戦では体格差から同様の攻撃でスアキムを容易に崩すことは考えにくい。またワンチャローン自体が相手の攻撃を受けながら、自分の攻撃を叩き込んでねじ伏せるタイプであり、それゆえ那須川の攻撃を正面から受け続けたが、スアキムは反応が良く、相手の攻撃を正面から受けることが少ないというのも攻略が至難となる理由でもある。

ワンチャローンより4階級上のスーパーフェザー級で戦うスアキムだが、パンチ・蹴りのスピードはスアキムが上回っており、こればかりは対戦してみないと分からないものの、那須川の異次元のスピードにも(体格の利もあって)対応できる可能性は高い。

体格差だけでなく、フィジカル、スピードと全般的に長けるスアキムに対し、那須川がいかに攻略のカギを見出すのかが見所となる。

スアキムの不安要素はガードの低さにあるか

完全無欠とも思えるスアキムだが、不安要素を挙げるとすればガードの低さと、上体が立ったままパンチをまとめるところだろうか。

スアキムは反応の良さ(目の良さ)に定評があるものの、それにやや頼っているためかガードが低く、パンチを打つ時のガードもアゴより下に置かれていることが多い。トップレベルの相手にも大きな一発を貰うことはほとんど見られないが、より好戦的なKNOCK OUTのリングで、となると攻撃が交錯した時に不意の一撃を貰う可能性はある。またアゴを引かずにどっしりと構えるために、攻撃が当たればアゴへモロに捉えるチャンスも大きくなる。

さらに遠目からだけでなく近距離からショートのパンチを放つときにも上体が立ち、頭の位置が変わらずに攻撃をまとめるため、近距離からの相打ちや打ち終わりに顔面を狙うのは一つの勝ち筋となるかもしれない。

動画を確認した限りでは、2014年にパンパヤック対戦した時には、踏み込んだタイミングでハイキックを合わせられてダウンし、そのままペースを掴めずに判定負けを喫している。なおパンパヤックは後に前人未到となる3年連続MVPを獲得したレジェンド格の選手だ。

これを再現するのはもちろん容易ではないが、出会い頭や打ち終わりに顔面のスキが生じる選手であることを象徴するシーンとなっている。

PKセンチャイジムだけに那須川対策は万全か

またスアキムはこれまでKNOCK OUTをはじめ日本に多くの選手を輩出しているPKセンチャイジムの所属というのも、見逃せないポイントだ。

那須川に敗れたワンチャローンとは同門であり、また所属選手がKNOCK OUTでの試合を経験していることから、那須川との対戦に向けて入念な対策を行ってくるだろう。

とりわけ那須川は幼少期から取り組んでいた極真空手の下地があるキックボクサーということで、回転技や突きのようなジャブなど、ムエタイのセオリーにはない攻撃を繰り出すために、スアキムが事前に情報を得ているというのも一筋縄ではいかない要因となる。

ちなみにスアキムはキャリアの初期から目立った選手ではなく、PKセンチャイジムに移籍してから急激に頭角を表してきた選手でもある。

那須川はスアキムを倒せば残る相手はごくわずか

スアキムはムエタイのトップ選手であるのは間違いないが、スーパーフェザー級ではスーパーレック、ガオナー、パンパヤック、センマニーの方が本場での評価は高いだろう。

もっとも那須川との試合はスーパーバンタム級となる55.7kg契約であり、この体重に落とせる選手となるとスアキムかガオナーあたりに絞られる。さらに日本のルールへの適正を考えるとスアキムがガオナーに優る可能性も高く、スアキムは現在考えられる相手の中で1・2を争う難敵といっても過言ではない。

この対戦はやや唐突に組まれた感があるが、仮に那須川がスアキムを破ることがあれば、残す相手はガオナーか、階級上のレジェンド級の選手のみに限られる。

スアキムは日本のムエタイファンにも広く知られた存在ではないため、那須川とすれば敗れた時のリスクが高い相手とも言えるが、勝利すれば世界的にはさらに一段と名前を上げるチャンスでもある。

スアキムの戦いを熟知する2名の人物に予想を尋ねたところ、いずれも「スアキムが有利」との答えが返ってきた。2月の『KNOCK OUT FIRST IMPACT』では神童が敗れる時がついに訪れるのか、それともスアキムを破って神童伝説にまた1ページを加えるのか。スアキムが同イベントのキーパーソンとなるだろう。

クイール編集部 ◯文 text by Queel
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この記事へのコメント()

Acjubw1t
2018/01/16 13:01

那須川に黒星付けられる相手をKOは本気で選んできた感じ。

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匿名ユーザー
2018/01/16 13:04

KNOCK OUTはガチなやつ連れて来たな

Yu5vhm2x
大澤 辰郎
2018/01/16 16:15

知識不足ですみません。天心の首相撲と肘のテクニックがどんなもんかの考察が欲しいです。
この2つあまり見た記憶が無くて。

私は勝手に山中慎介級の神クラスの左だと思ってるので、パンチで倒すんじゃ。ワンパン。

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KO
2018/01/16 18:09

ワンチャローン戦は結構肘も上手くつかってましたよね。ただ全体的に材料が少なくて何ともいえないですね。首相撲に関してはいくらテクニックがあってもこれだけ体格差があると防ぐだけで精一杯になりそうですが。

Yu5vhm2x
大澤 辰郎
2018/01/16 18:24

返信ありがとうございます。

Missing avatar
2018/02/09 21:26

いやいや戦績見ちゃうと大したことないなって思ってしまう。負けがないか、ほぼない人当ててあげればいいのに

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ノブリン
2018/02/12 15:07

防御が甘すぎ スピードが違う
左のカウンターを食らって期待ハズレで終わりそう
バンチが当たらないまま 終わっしまうね