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"次代の大器"篠塚辰樹がRISEでキックデビューへ。待ち受けるはニュースター誕生か、それともキックの洗礼か。

2018/01/30 18:46

2月4日(日)にキックボクシング団体『RISE』が2018年第1弾の興行として、後楽園ホールで『RISE 122』を開催する。

同イベントではK-1 WORLD MAXで活躍した森田崇文が6年ぶりの復帰戦を行うなど注目カードが揃っているが、中でも異彩を放っているのは、キックボクシングデビュー戦を迎える篠塚辰樹だろう。

篠塚は19才にしてプロボクシングでA級ライセンスとなる8回戦に進出するなど、将来を嘱望されるボクサーでありながら、キックボクシングに転向し、間もなくプロデビュー戦を迎えることになる。

ボクシングからの転向といえば、かつてK-1では元日本王者・世界王者の選手が転向することがあったものの、多くは盛りを過ぎた段階での参戦ということもあり、期待されたほどの成績を残すことができなかった。しかし篠塚は若干19才とキャリアのスタートを切ったばかりの段階ということで、極めて異例の転向例となる。

昨年10月にA級に昇格したばかりの篠塚がなぜキックボクシングに転向したのか迫ってみた。

アマチュアで高い実績を残し、プロボクシングへ

篠塚のバックボーンとなるボクシングを始めたのは中学2年生の頃。そして沼南高校に進学してから本格的に練習を積むようになると頭角を表し、アマチュア通算では31戦24勝7敗という戦績を残している。

関東大会で優勝し、全国での最高位は5位。詳しくは後述するが、高校3年時に退学になってしまったことで、高校2年生時に全国5位の成績を収めている。

高校でのアマチュアボクシングをここで一区切りにし、プロボクシングに転向することになるが、実は当初からキックボクシングでデビューしたいと考えていたそうだ。

「その頃はキックボクシングでプロを目指そうと思っていました。元々キックボクシングとか総合が好きだったんです。でも地元にはボクシングのジムしかなくて、高校もボクシング部に入ったんですけど好きだったのはキックでした。」

幼少期からテレビでK-1を見ていた影響から自身もキックボクシングでプロデビューを試みるが、「両親にボクシングのほうが良いと説得されて、話し合った結果ボクシングの道に進みました」とのことだ。

ちなみにプロ転向するにあたって所属していたのは、日本有数の名門ジムであるワタナベボクシングジムだ。かつて内山高志が所属していたことでも知られ、現在も田口良一や京口紘人といった軽量級の世界王者が在籍している。

いくつかジムに見学にいった時に「ワタナベは練習がフレンドリーだから自分に合いそう」との理由でワタナベボクシングジムを選択。プロ8戦目で世界王者となったミニマム級のホープである京口紘人とも親交があったそうだ。

プロでは初戦で敗れるも、3連勝でA級へ

篠塚のプロボクシングの戦績は3勝1敗。数字だけ見るとあまり凄みを感じにくいかもしれないが、その内容を見れば評価は一変するだろう。

まず篠塚はアマチュアで高い実績を収めたことで、通常はC級ライセンスのところをB級からスタートしている。また唯一敗れたプロデビュー戦の相手は現在の日本ユース・ライト級王者の富岡樹で、この時には富岡と篠塚いずれもB級スタートのデビュー戦対決として行われた。

「B級のデビュー戦対決だったんですよ。同じ関東でアマチュアの先輩だった富岡さんとの試合が決まって。階級が2つ違ったんですが、トレーナーが面白そうだからと、お互いの間の階級で試合をすることになったんです。」

結果は体格差を感じたとのことで判定負けを喫するが、その後は2度の1RKOを含む3連勝によって、B級からA級ライセンスへと昇格を決めている。

そして、これからまさに飛躍を遂げようというタイミングでキックボクシングへの転向することになる。敗れた富岡へのリベンジや日本タイトルを獲得したいという思いはあったものの、自分がやりたいキックボクシングで挑戦したいという思いから転向を決意するが、転向するまでには少し苦労があったそうだ。

「両親にもジムにも大分反対されましたね。なので実際に転向するまでには少し時間がかかりました。でもしっかり話をして今はみんな応援してくれています。」

篠塚の練習も取材したが、元A級ボクサーということで、言わずもがなパンチの技術は一級品だ。とりわけショートでのパンチの回転力、多彩な角度からの攻撃、上下の打ち分けはキックボクサーのパンチとは明らかに一線を画している。

ボクシングと違い、蹴りが入ることで間合いが遠くなるが、ロングレンジからのパンチにもしっかりと対応していた。試合での適応については蓋を開けてみなければ分からないが、スピード感のある攻防が推奨されるRISEルールに適応する可能性は高い。

問題児のエイドリアン・ブローナーに憧れる大器

19才でA級デビューを控えたタイミングでの転向というのも珍しいが、篠塚が目指す選手が超悪童のエイドリアン・ブローナーというのも珍しいポイントだ。

エイドリアン・ブローナーといえば世界4階級制覇を達成したボクサーで、卓越した身体能力とカウンターセンス、そしてL字に構える「L字ガード」を使いこなすことから、一時期は「メイウェザー2世」とも呼ばれた世界的な選手だ。

またブローナーが世界から注目を浴びているもう一つの理由は、その余りにも素行が悪いことにあり、賭けボウリングに負けた腹いせに相手を叩きのめして金を脅し取ったり、自らの性行為の動画を流したとして訴訟を受けたりと枚挙に暇がないほどの問題を起こしている。

日本であればとっくに現役を続けられないようなトラブルメーカーであるが、そんな人間が恐ろしく強いというのもまた世界の広さを感じさせる。

篠塚は法に触れることはしていないものの、別の学校の制服を借りて授業に潜りこんだりといったヤンチャをしたことで高校3年生の時に退学となってしまった。さらに19才にしてアメ車が大好きで既に乗り回しているというのもスケールの大きさを感じさせるエピソードだ。

ブローナーの愛称は「問題児」を意味する「ザ・プロブレム」だが、篠塚のトランクスにもそこから影響を受けて「ザ・プロブレムボーイ」と書かれているようで、試合の時にはトランクスの刺繍にも注目したい。

では改めてなぜブローナーが好きなのかというか「試合も含めてですが、エイドリアン・ブローナーみたいに人生の全てを楽しみたいんですよね」とのことだ。

現代的に見れば正統派のベビーフェイスではないが、かつて日本のリングを席巻したバダ・ハリのように、一際大きなスケールを感じさせる新しいタイプのヒーローになる可能性を秘めている。

那須川天心と同門で練習を共にする

篠塚はキックボクシング転向に伴い、所属をワタナベボクシングジムからTEPPEN GYM(テッペン ジム)に移しているが、TEPPEN GYMといえば那須川天心の父親が主宰するジムであり、那須川天心もまた拠点とする。

19才の同い年で練習を共にしているということで、プライベートでも仲が良い篠塚と那須川だが、意外にも篠塚がアマチュアの時代から交友関係があったそうだ。

「TEPPEN GYMにはオープンした頃から顔を出していたんですよ。自分は高校でこっちに出てきて、誰も知らない中で最初に仲良くなった友達が(那須川)天心の知り合いで、『格闘技をやっている友達がいるから遊ぼう』という感じになって。そこから天心とも仲良くなったって感じです。それまでは天心のことは全く知りませんでした。」

篠塚は今回キックデビュー戦にして、バンタム級5位の山川との対戦を控えることになるが、思えば那須川もデビュー戦でランキング7位の選手をKOしたことで天才ぶりが話題となった。那須川を越える厳しいプロデビュー戦を迎えることになるが、篠塚は勝利してインパクトを残せるのか。

もっともデビュー戦からランカーと戦うことについては「自分が選んだんじゃないですよ(笑)。会長が選んだ相手なので」とのことだが、「でもラッキーですね。デビュー戦から上の選手とやってインパクトを残したい」と意気込む。

実績のある相手でも気負いをせずに、試合を純粋に楽しめるのも大器の証か。

早くも年内のタイトル獲得も睨む

TEPPEN GYMには以前から顔を出していたという篠塚だが、キックボクシングの練習を本格的に行うようになったのは、なんと12月後半からだという。

プロボクシングの最終戦が昨年10月12日ということで、転向期間が短いことは想定されたが、ボクシング以前にキックボクシングの経験もないことを鑑みると転向からの期間の短さもまた異例だ。

「(これまでキックボクシングを)やったことはないです。ただTEPPENジムができる前から毎週土曜日に体育館で集まって練習をしていたんですよ。そこでは軽く教えて貰っていました。本格的にとなると12月の後半くらいからですね。だから(準備期間は)1ヶ月半くらいです。」

かつてボクシングから転向してきた選手が蹴りに対応できずに敗れるケースが多く見られたが、篠塚は今回の試合は楽しみで仕方がないという。

「デビュー戦は不安もなく、出したい技がいっぱいありすぎて逆に楽しみですね。どれをやろうかなって。」

「とりあえず蹴りを出したいです。そして蹴りがあるから入るパンチとかもあるのでそれも試したい。あとは1Rか2R中には倒して、RISEに新たなスターが誕生したと思ってもらえるような衝撃的な試合をしたいです。」

早くもKO宣言が飛び出した篠塚だが、今回の試合を乗り越えた先には、早くも年内のベルトを見据えている。

「ベルトも年内に獲りたいと思っています。2月の試合はその可能性を示す試合をするので期待しておいてください。」

篠塚辰樹に待ち受けているのはキックの厳しい洗礼か、それともニュースターの誕生か。異例尽くしのキックボクシングデビュー戦は2月4日(日)の後楽園ホールにて行われる。

□ RISE 122 開催概要

開催日時: 2018年2月4日(日)18時本戦開始
会場: 後楽園ホール

▽ 第5試合 フェザー級(-57.5kg)3分3R延長1R
山川 賢誠(札幌道場、バンタム級5位)vs.
篠塚 辰樹(TEAM TEPPEN)

クイール編集部 ◯文 text by Queel
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この記事へのコメント()

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堅物くん
2018/01/31 15:04

A級ボクサーで19歳の選手がキックボクシングに転向してくるのは前例がないのでは?
転向してからの期間が短いのが気になるけど、パンチはキックボクサーより断然上手いだろうし、勢いがあれば瞬殺でKO勝利してしまいそう。
まあ、ローとミドルで攻められて何もできないまま負けるっていうパターンも普通にありそうだが。

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topp
2018/02/01 04:06

鈴木悟が転向したの29歳ぐらいだったもんね
本当は競技の壁を越えてどっちも出れるようになればいいのにね
キック出ながらボクシングも出ることが日本はできないんだよね

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クイール最高
2018/02/01 09:14

亀田京之介がSNSで馬鹿騒ぎしてプロ初戦で大撃沈したけど、篠塚はもうちょっと賢い感じはする。笑。すでに経歴がすごいからいけるとは思うけど。

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