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宮越慶二郎インタビュー。復活を期するNINJAがライト級のサバイバルマッチに臨む。目標は西武ドームでの始球式!

2018/02/08 19:10

KNOCK OUTが2年目を迎える2018年の第1弾興行『KNOCK OUT FIRST IMPACT』が大田区総合体育館にて2月12日(月・祝)に開催される。

1年目のKNOCK OUTはライト級トーナメントが開催され、森井洋介が全試合KOによる優勝を飾ったことが記憶に新しいが、1回戦で対戦した宮越慶二郎(28)は当初、森井を抑えての優勝候補に挙げられていた。

2016年にはホームリングのNJKFでMVPに選出されるなど、NJKFの看板選手として鳴り物入りでKNOCK OUTに出場したが、森井の強打の前に2Rまでに合計3度のダウンを奪われてのKO負けとなった。

この試合で波に乗った森井は一気に頂点まで駆け上った一方で、宮越はその後中国での再起戦に勝利したものの、日本のリングではシュートボクシング、NJKFで連敗を喫することになるが、宮越は2017年を「キャリア最低の1年」と振り返る。

そしてKNOCK OUT 2戦目となる2月大会では台頭著しい重森陽太と対戦が決定し、重森は今回が初のライト級マッチとなるが、昨年の勢いからか事前の勝敗予想では重森有利との結果も出ている。

忍者のごときステップワークと、抜群のカウンターセンスを持ち合わせた宮越はライト級戦線で生き残れるのか。「復活」をテーマに据えた2018年の戦いがいよいよ始まる。

"所沢の星"がキャリア最低の一年から復活を期する

ーーまず宮越選手には今年中に成し遂げたい大きな目標があるそうですね。

ネットライフドームでの始球式のことですね。

ーー西武ドームのことですよね?

そうですね。小学生時代に仲の良かった友達が少年野球をやっていたので、周りが野球好きばっかりだったんですよ。

それで放課後は毎日自転車で30分くらいかけて西武ドームに行って、試合終わりの選手にサインを貰ったり、バットやグローブを貰っていたんですよ。

ーーバットとグローブが貰えたんですか?

たまに貰えたりしましたね。あとは試合中に折れたバットだったりとかを捨てる場所があるんですけど、僕らはそこに行って係の人から廃棄する有名人選手のバットを貰っていました。

有名な選手のだと高木大成選手の折れたバッドを今も持っています。結構お宝とかがあるんですよ。

そんなこともあり、子供の頃から西武ドームは夢の舞台と言いますか、一度は立ってみたいところだという思いがあったんですよ。野球選手ではないですけど、憧れだし自分の地元の誇れる場所なので。

所沢って誇れるものが西武ドームしかないんですよ。埼玉の中で所沢って寂しいところで…。

その中で西武ドームはAKBからSMAPとか大物アーティストが来る場所になっています。そんな西武ドームで僕が一人で目立てる時間を作りたいというのが、プロ選手としての目標ですね(笑)。

(西武ドームはかつて黄金時代を築いた西武ライオンズのホーム球場。ちなみに編集部のイチオシ選手は山川穂高。クレジット: By 羅威雄達 [GFDL or CC BY 3.0], via Wikimedia Commons)

ーーということは野球は西武ライオンズファンなんですか?

野球が物凄く好きという訳ではないんですけど、やはり地元なので子供のころから西武ファンですね。もう周りも西武ファンしかいないですし。

ーー野球経験はあるんですか?

それはないんですよ。学生時代にやっていたのもバスケットボールなので。でもなんとか今年中に目標を達成したいと思っています。

今はその為のコネクション作りですね(笑)。コネクション以外だと圧倒的に知名度を上げないといけないですから。

ーーKNOCK OUTはテレビ番組もありますし、そこで「宮越慶二郎、始球式を目指す」って特集をして欲しいですよね。

ほんとにプッシュして欲しいですよね。力を借りたいです(笑)。

ーー話は変わりますが、宮越選手の代名詞といえば「忍者ステップ」と評される独特なステップワークですよね。忍者は好きなんですか?

いや、これも正直凄く好きという訳ではないです。

ーーええ、忍者なのに好きではなかったんですね。

でもNARUTOは好きで見てましたよ。小さいころはミュータント・タートルズなんかも見ていました。

まあ、忍者って日本特有のもので世界でも有名なものじゃないですか。忍者と呼ばれるようになったのはステップワークからなんですけど、忍者を推していこうと思ったのは海外で試合をした時からですね。

中国のクンルンファイトに出た時に、海外で受けるのはサムライとか忍者とかそういうのかなと思って、現地のインタビューで「俺を忍者と呼んでくれ」って言ったんですよ。

そしたら現地の人が「おお!忍者!忍者!」となって凄く盛り上がってくれた。日本で「忍者、忍者」って言ってたら変な目で見られそうですけど、海外だとウケる

元々は海外ウケを狙ったものだったんですよね。

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(対戦する重森陽太もNARUTO好きとのこと。「忍者」は世界的に最もウケの良い日本文化でもある。)

ーー海外用のキャラだったんですね。

日本で言ってたらちょっとバカにされそうじゃないですか(笑)。

ーーでは海外で「俺は忍者だ!」って言ったときに目標にした忍者とかはいるんですか?

忍者といえば影分身の術じゃないですか。あれをやりたいなと思っていたんですよ。それでサイドステップをより磨いたってこともあります。

そう考えると忍者ステップは影分身の術です。

ーー影分身といえばナルトですよね。

あ、でも僕はサスケが好きですね。あのクールな感じがめっちゃカッコいいので。

ーー宮越選手といえば相手の攻撃を見切ってカウンターを合わせることに定評があるので、そこは写輪眼を持つサスケとは通じるものがありますね。

そうですね。ヒントを得ているものはあります(笑)。

相撲の舞の海さんも、「現役時代には色んなものからヒントを得て相撲に応用していた」と言っていたんですよ。

だから舞の海さんの取り組みは常識には囚われていない動きをしていた。キックも同じでこれという動きはないと本質的にないと思うので、僕は自分にしかないものを出していきたいです。

ーー宮越選手の試合もオリジナリティーがありますよね。そろそろ真剣な話になりますが、昨年は1勝3敗と結果には恵まれなかった年でした。

キャリア最低の一年でした。地獄の底まで突き落とされた気分でした。

ーー振り返ってみると4月に参戦したKNOCK OUTのトーナメントは、優勝候補本命と称されるも1回戦でKO負けを喫しました。

自分に起こったことが信じられなかったですね。あれもヘルニアが奇跡的に治って自分を追い込んで練習をして、これだったら勝てるという確信を持っての一戦だったんですよ。

しかし結果がああなってしまったので、こんなことがあるのかって。でもこれが現実だということで、試合後の控室ではここからどうすればいいのか先が真っ暗になりました。

自分のビジョンとは正反対の結果になってパニックでしたね。

ーーあの試合は前半から両者がアグレッシブな展開でしたが、作戦は前半勝負だったんでしょうか?

いや後半勝負の予定でした。ただ一発いいのを貰ってしまって焦りが出て、このままじゃ駄目だと展開を変えようと攻めた部分がありました。

あの敗戦はしばらく引きずってしまいましたね。

ーーしかしその1ヶ月後には中国のクンルンファイトで復帰戦を行い勝利しました。しかも契約体重は65.5kgでした。

過去最重量でしたね。65.5kgでやれる選手を探しているという話を聞いて、僕もむしゃくしゃしていたので、このストレスを誰かにぶつけたいという思いもあったんですよ(笑)。

あと落ち込んでいたので自信を取り戻したくて試合を決めちゃいました。もうなるようになれって。半分はヤケクソですよね。

でもその方がいい感じに力が抜けて、海外はプレッシャーとかはあまり感じないので、普通にお客さんに魅せようとも思わず普通に試合をして勝ったという感じでした。

これが本来の自分のスタイルなのかなって。

ーーではこの試合で自信を取り戻せたと。

そうですね。僕は打たれ弱くもなってなかったなって。

ーー打たれ弱いというと?

4月の試合で僕は変わっちゃったかなって感じていたんですよ。映像を見たらカスっただけで倒れていたので、自分はこんなに打たれ弱かったっけみたいな。

怪我でもしたのかなって、その辺りを再確認したかったんですよ。

それが中国の試合ではパンチをもらっても全く問題なかったので安心できたのが良かったです。

ーーそこから4ヶ月空いて日本での復帰戦は9月のシュートボクシングとなり、海人選手と対戦しました。

この試合は内容的には最終ラウンドまでは良かったですね。相手も180cm以上でキャリアでも最も高い選手だったんですけど作戦も上手くハマって。

ーーこの試合は1階級重いスーパーライト級契約でしたよね。

もうライト級のウェイトがキツくなってきてスーパーライトに上げようと思っていたんですよ。

まあ、この試合は最終ラウンにスタミナが切れてしまって腕を上げているのが精一杯になってしまい、最後はヒジを貰って切られてしまった。

相当疲れていて、何が起こったのかわからなかったですね。

ーー続くNJKFでの試合は強豪のタイの選手にヒジでカットを奪われ連敗となりました。昨年結果を残せなかったのにはどのような理由があったんでしょうか。

理由は明確には自分でもわかってないんですけど、良い試合を見せようと思いすぎてしまったことがあるかもしれないです。

昨年負けた試合は3試合は全部メインイベントだったんですよ。そこでプレッシャーがあって、ただ勝つだけじゃ駄目で面白い試合をしなければと思ってしまっていたんですよ。

特にタイの選手との試合はホームリングのメインなので良い試合をしないとっていう気持ちが強すぎました。そういう経緯もあって自分はまだメインの試合ができる選手じゃないなと思いましたね。

そう考えると那須川選手はやっぱり凄いなって思いますよ。19歳でメインをはって漫画みたいにKOしますから。

ーーメインイベントに出場することは他の試合とは大きく異なるんですね。

試合順が遅いので気持ちをずっと保っているのが難しいのはありますよ。

ーー昨年はとにかく苦しんだ1年ということでしたが、2018年はKNOCK OUTで重森選手との試合が早速決まりました。

重森選手は階級が違う選手だと思っていたので、あれ?って思いました。僕はライト級トーナメントに出ていた選手との試合が組まれると思っていたので予想外でした。

ーー重森選手の印象は?

上手くて強いという印象ですね。長身でリーチも長いですし、完成されているというか弱点のない選手ですよね。年末の試合もかなり良かったですし。

12月に両国で戦ったタイの選手との試合も、もっと蹴りで攻めるのかなと思ったらパンチでもガンガンやってきて、組みからのヒザも使えるので攻略が難しい選手だと感じました。

ーー重森選手はどっしりと構えるのに対して、宮越選手がステップワークを用いながらどう入っていくかになりそうですね。

リーチは向こうのほうがあるので僕がどう崩して入るかですね。僕が過去2戦でヒジによるカットで負けているので相手はそこも狙ってくると思いますし。

そこをどう外しながら戦うかが試合としては最大のポイントになります。

僕は手数とスタミナの選手なのでそこはブラさず、待ちではなく自分から試合を動かしていきたいですね。

ーーこの試合のテーマはどういったものになりますか?

復活ですね。今は暗いトンネルを走っていて光がまだ見えていないような感じで、進んでいるのか止まっているのか、もしくは後退しているのかよくわからない状況です。

自分がどこの位置にいるのかわからない状態にいるので、今回の試合でそこをまたはっきりさせたいです。

ーー2018年はそこから始まるという感じですね。

そうですね。今年は基礎的なものを初心に帰って基礎的なことを一から学んでいきたいなと思っています。その一環として最近はボクシングジムにも通っているんですよ。

今までは会長に教わったり自分で考えて引き出したもので戦ってきました。

それが上手くいっていた部分もあるんですが、パンチに関してはセオリー通りのことは教わったことがなかったんですよ。

パンチの正しい打ち方がわからなくて自己流だったんですけど、そこをボクシングジムでガッチリと固めています。

ーー宮越選手は元々パンチでアドバンテージをとってきた印象もあるんですが。

いや、ボクシングジムでは毎日怒られていますよ(笑)。でもありがたいです。まだ伸びしろがあるということなので。

行く度に新しいことを教えてくれて、自分はこんなことも知らなくてよくパンチが得意だと言ってたなというくらいのレベルでした。

ーーではパンチに関してはより進化を感じていると。

今まではセンスというか身体的なものでやっていたんだなと思います。僕は一発がないと言われていて、その度にフィジカルやって筋肉をつけろと言われていたんですよ。

でも僕は絶対に違うと思っていたんですよ。階級というのもあって筋肉はただの重りになるだけじゃないのかって。

それよりも今の筋肉を100%使える打ち方にしたほうが絶対に効率がいいと思いましたし。だからボクシングジムに行くようになったんですよ。

それで実際にボクシングジムで練習したら全然違いますね。行く度に明らかに上手くなっているのがわかります。

ーー今回の試合ではそのパンチの進化が現れるかもしれないですね。

でも蹴りで行くかもしれないです(笑)。

ーーライト級に落とすのがキツくなってきたという事もあるそうですが、昨年のトーナメントで優勝し王者となった森井選手には興味がありますか?

森井選手は再戦したい相手ですね。森井選手はステップを使って手数を出し続けるというカテゴリー的には同じ選手なんですよ。

尊敬もしていますが、前回はKO負けしましたが実力差はそこまでないと思ってはいて、もっと良い試合ができると思っています。

森井選手ともう一度やれるところまで持っていきたいというのはありますよね。

ーースーパーフェザー級で日本屈指の実力者であり、今回の試合で初めてライト級にあげてくる重森選手との対戦は注目されますし、存在感を示すには良いカードですね。

そうですね。この試合に勝利できたら町田選手との試合にも興味があります。

ーー町田選手のモチーフはサムライなので、「夢のニンジャvsサムライ」対決ですね。

それが僕は一番やりたいです(笑)。絶対ファンにもウケると思うんですよ。町田選手も現役続行を発表してから調子いいですし、今年やれたらいいですね。

ーー最後にファンにメッセージをお願いします。

2018年に復活する僕を見てほしいです。

宮越慶二郎プロフィール

1990年1月28日生まれ、28才。埼玉県所沢市出身。

肘、首相撲ありルールでは珍しく、リングを縦横無尽に動き回るステップワークが最大の武器で、抜群のカウンターセンスとパンチを畳み掛けるボクシング技術を強みとしている。

NJKFやWBCムエタイのライト級王座を獲得したほか、2016年にはNJKFの年間最優秀選手に選ばれた。

2017年にはトーナメントの優勝候補としてKNOCK OUTライト級トーナメントに参戦するも、森井洋介の前に2RKO負けを喫して無念の1回戦敗退。2018年2月に2度目の参戦として、次期挑戦者候補とされる重森陽太と対戦する。

変幻自在のステップワークから「忍者」と呼ばれる。また地元・所沢の郷土愛が強く、2018年には西武ドームでの始球式を行うことを一つの目標に据えている。

クイール編集部 ◯文 text by Queel
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