2017年08月09日作成

2017年のUFCのPPVが低迷してるって本当?過去のPPV売上データから比較してみました。

2017年に入ってからUFCのPPV売上が低迷しているという話をチラホラ耳にしますが、本当に低迷しているのか実際に調べてみました。今回は2014年~2017年までのデータから調査しています。

Image 1502262245

画像: GettyImages

UFCにおけるPPV事情について

世界最大のMMA団体であるUFCといえばPPVによる莫大な収益を生み出していることでも知られています。

PPVとは「Pay Per View」の略語で、一つの番組ごとに視聴料金を支払う仕組みのことです。現在のUFCのイベントは「ファイトナイトシリーズ」「FOXシリーズ」「ナンバーシリーズ」と3つの種類に分けられており、そのうちのナンバーシリーズのみでPPV販売がされており、最も豪華な対戦カードが集まる傾向にあります。

ただし全ての国においてPPVが販売されているわけではなく、日本ではメインカードが定額サービスのDAZNで配信されているように各国によって配信方法はまちまちです。

PPV大国と見られがちなアメリカですが、実際は売上のほとんどは格闘技ジャンルに限定されており、現在はUFC、ボクシング、WWEの3ジャンルで大半を占めるそうです。ちなみに日本でも最大のPPV売上となったのは2002年のDynamite!となっており、やはりPPVというと格闘技色が強くなっています。

UFCのPPVは1件あたり49.99ドル(約5500円)~59.99ドル(約6600円)と高額ということもあり、UFC史上最大の売上となった「マクレガーvsディアス 2」は1大会で約91億円のPPV収益を生み出しています。

UFCのPPV売上が低迷?

このように1大会で莫大な収益を生み出せるPPVですが、視聴料金が高額なこともあって、メインイベントの対戦カード一つで売上件数が驚くほど上下する傾向にあります。

今年に入ってからのUFCはPPV売上が低迷していると囁かれるようになり、また昨年UFCを40億ドル(約4400億円)という巨額な資金で買収したWME-IMGが、買収資金となった借金を返済するためにもPPV売上を引き上げなければならないとも言われています。

それでは今回実際にPPV売上の推移を2014年~2017年現在にかけて調べましたので、その内容を紹介します。

PPV売上の推移はこちら

2014年のUFC169から2017年7月29日のUFC214まで、中止されたUFC176を除く全45大会の推移はこちらになります。(縦軸がPPV売上件数、横軸が大会ナンバー)

こちらを見ていかがでしょうか。PPV売上は大会ごとの対戦カードに強く影響されるが良く分かるように凸凹としたグラフになっているのが特徴的です。

すぐに気づくかもしれませんが、UFCのPPV売上の底というのはあまり変わっておらず、デコボコのデコの部分をいかに作るかがPPV売上にとって非常に重要となっています。

年間を通じてのPPVの総売上と平均売上は次の通りです。

年度 大会数 合計売上 平均売上
2014年 12回 317.5万件 26.5万件
2015年 13回 754万件 58万件
2016年 13回 853.3万件 65.6万件
2017年 7回 228.5万件 32.6万件

年度ごとに推移を見ると2014年から2015年に急成長し、2016年にピークに達し、2017年には下降したと見ることができます。

ロンダ・ラウジーとコナー・マクレガーの離脱が要因

2015年と2016年が急成長した主な要因は、まさにロンダ・ラウジーとコナー・マクレガーがUFCのスターに登りつめた時期と重なります。

2015年のUFC189の「メンデスvsマクレガー」が82.5万件、UFC190の「ラウジーvsコヘイア」が90万件と両選手が続けて100万件近くを叩きだし、年末の2大会であるUFC193の「ラウジー vs ホルム」が110万件、UFC194の「アルド vs マクレガー」が120万件といずれも100万件を突破しています。

ロンダ・ラウジーはホーリー・ホルムに敗れてから、2016年末に「ラウジーvsヌネス」をこなしたのみですが、こちらも110万件を記録しています。

また2016年はマクレガーが3試合を行い、「マクレガーvsディアス」が131.7万件、再戦となった「マクレガーvsディアス2」は史上最高の160万件、2階級制覇を達成した「アルバレスvsマクレガー」も130万件を記録しています。

ラウジーとマクレガーによる猛烈な人気が2015年と2016年の好調なPPV売上の要因となっており、両選手の試合を抜くと2015年の平均PPV売上は39万件、2016年は35.7万件と平年並みになっています。

確かに2017年に入ってから平均売上件数は下がっているものの、全体の趨勢として右肩下がりなのではなく、ラウジーは一線を退き、マクレガーはボクシング挑戦による離脱をしたことが主な要因と言えます。

ちなみにグラフでは紹介していませんが、2013年から2014年にかけても低迷しており、それは長年UFCの顔であったGSPとアンデウソン・シウバが一線を退いたのが原因で、やはりPPVビジネスは一部のスター選手に依存するものだということが良く分かります。

先日のジョーンズvsコーミエは85万件の売上

7月30日に開催されたUFC214は今年最大のビッグイベントとなり、メインイベントではジョン・ジョーンズとダニエル・コーミエのライバル対決が行われましたが、こちらのPPV売上は85万件とされています。

100万件に到達するのではという一部の予測を下回ったものの、85万件という数字はジョーンズ、コーミエがメインイベントを務めた大会では過去最高値となっています。

(画像: GettyImages)

100万件を越えた大会となると、コナー・マクレガー、ロンダ・ラウジー、ブロック・レスナーが出場した大会が大多数を占めており、やはりファイターとしての実力・魅力のみでは到達し得ない領域です。

今まさに話題となっている「ジョン・ジョーンズvsブロック・レスナー」の試合についても100万件をゆうに突破しうるスーパーファイトなので、興行側が組みたいと考えるのも致し方ないのかもしれません。

今回は日頃断片的に伝えられるUFCのPPV売上について横断的にまとめてみました。UFCのナンバーシリーズについての関心が深まれば幸いです。

(※この記事で使用したPPVの売上データはTapologyのデータベースを参照しています)

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
最新の格闘技ニュースをお届けします

関連する記事

この記事に関するタグ

コメント 0件