2017年08月10日作成

意外と知られていないブアカーオの国民的英雄ぶりを紹介。母国では映画の主演をこなし、サッカー選手にも転身。

かつてK-1 MAXで2度の優勝を誇ったブアカーオですが、母国タイでは国民的な英雄であることはあまり知られていないかもしれません。今回はその英雄ぶりを改めて紹介することにしました。

タイの国民的英雄であるブアカーオ

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ブアカーオと言えばK-1 MAXで2度の優勝を誇り、ムエタイを代表する選手として日本でも知られていますが、母国タイでは国民的な英雄であることはあまり知られていないかもしれません。

日本時代は「ブアカーオ・ポー・プラムック」のリングネームでしたが、現在のブアカーオは自らバンチャメークジムを立ち上げたことで「ブアカーオ・バンチャメーク」として活動しています。

かつてTBSの煽りVTRでは「妹の学費のために戦う」と紹介されていたのは今は昔、現在は世界で最も高級取りの立ち技選手とされています。時にはサッカー選手に転身したり、時には映画の主役を務めたりと、波乱万丈あったブアカーオのキャリアを改めて紹介していきます。

SNSのフォロワー数やリアクションの数が桁違い

眉をひそめる方もいるかもしれませんが、最近ではスポーツ選手の影響度を見る時にSNSのフォロワー数が見られることが多くなっており、ESPNが発表している「世界の著名なアスリートランキング」ではSNSフォロワー数を重要指標としています。

そこでまずはブアカーオのSNSフォロワー数を見てみましょう。ブアカーオはFacebookとInstagramで活動しており、そのフォロワー数を見るとFacebookのフォロワー数は約390万人、Instagramのフォロワー数は約45万人となっています。

(ブアカーオのInstagramのスクリーンショットより)

ただしフォロワーは購入したりすることもできるので、実際にどれだけのリアクションが得られているのかを見ると、一つの投稿に1万以上のいいねがつくことがほとんどで、今でも多くのSNSユーザーがブアカーオに関心を抱いているのが分かります。

しかも驚くべきはブアカーオは時折英語を交えることはあるものの、ほとんどタイ語のみで発信をしていることです。ターゲットとなるタイの人口が約6800万人ということを考えると、母国タイでの関心がいかに高いかが分かるのではないでしょうか。

K-1レジェンドの選手で言うと、グーカン・サキがトルコで、ダニエル・ギタがルーマニアで絶大な人気を誇っていますが、ブアカーオはそれよりも一つ桁が違うレベルの関心度となっています。

K-1 MAXでの活躍とその後のプロモーション活動が人気の要因か

これについては明確な情報源があるわけではないのですが、ブアカーオの現在の人気はK-1 MAXでの2度の優勝と、その後のタイ国内向けのプロモーション活動が要因と思われます。

タイの国技でもあるムエタイは、日本の相撲のように伝統競技として現在も盛んなプロスポーツとして行われていますが、一方でムエタイに関心を抱いているのは一部の社会階層の人々に限られています。

それもあってか現在の70kg戦線のトップ選手が中国のクンルンファイトや武林風に流れているように、とりわけ中量級の選手はムエタイよりも国際的なキックボクシングの舞台に価値を置いている選手が多く見られます。

ムエタイは賭け事という性質もあるからか、関心がない人々はムエタイを下に見る傾向があるそうですが、日本を始め世界的に注目を浴びているブアカーオは、タイの幅広い層に受け入れられています。

ただしK-1で活躍していた当時はタイ国内での知名度はほとんどなく、その後のタイ国内向けのプロモーションが功を奏してスーパースターというべき地位を得たとのことです。

なかなかこういったトピックについては理由を一つに限定するのは難しいところがありますが、国際舞台で活躍したことがベースとなり、その後のプロモーション活動で人気に火がついたいうところなのでしょうか。

(※冒頭でも書いたように、明確な情報源があるわけではないので参考程度に捉えていただければ幸いです。)

ファイトマネーは1試合1000万円越えとされる

こちらについてもアメリカのMMA興行のようにファイトマネーが公開されるわけではないので、明確な情報元があるわけではないのですが、ブアカーオが現在主戦場としているクンルンファイトでのファイトマネーは1試合1000万円を超えると言われています。

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中国ではブアカーオの弟子であるスーパーボンや、ジョムトーン、シッティチャイといったムエタイトップ選手の人気が高いのですが、中でもブアカーオの人気は中国でも格別のようです。

昨年11月に武林風で行われたイー・ロンとのビッグマッチのファイトマネーは7000万円という噂があったそうですが、これは流石に高く見積もりすぎかもしれません。

ヨードセングライとの頂上決戦は1億円総取りで予定されていた

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ブアカーオと共に長らくムエタイ70kg戦線を代表する選手だったヨードセングライ。

今年4月にヨードセングライ中国で行われた試合にKO勝利した後、リング上にブアカーオが登場すると、「ブアカーオvsヨードセングライ」の試合が勝者は100万ドル(約1億1000万円)の総取りとして行われることが発表されました。

キックボクシング版「メイウェザーvsパッキャオ」とも呼ばれ、立ち技史上最高額の1試合100万ドルというビッグマッチは大きな話題となりましたが、後にヨードセングライは怪我を理由に引退したことから対戦は流れてしまいました。

代わりにケム・シッソンピーノンが現役復帰して試合を行うという噂もありましたが、その後どうなったのかは定かではありません。

ちなみにヨードセングライといえば、かつてK-1 MAXに一度だけオープニングファイトに登場したものの、既にブアカーオがタイ人枠として参戦していたことから「触らぬ神に祟りなし」という理由で参戦が遠ざけられており、そこから11年の時を経て過去最大規模のビッグマッチになりかけたのが印象的です。

多忙すぎて失踪したことも

K-1 MAXが活動休止となった翌年の2012年にブアカーオが失踪して連絡が取れなくなったことが日本のメディアでも話題となりました。

当時は色々と憶測が飛び交っていましたが、後からの情報によるとブアカーオはセミナーや芸能活動で多忙な日々を送って満足な練習ができないまま、ハイペースで試合をこなさなくてはならないことに疲れ切ってしまい、ブアカーオが愛車と共に姿を消したというのが真相なようです。

まるで売れっ子アイドルのフィクションの出来事のようにも感じますが、それもブアカーオ人気が高すぎるがゆえだったのかもしれません。

当時はモチベーションを失って引退宣言もしていましたが、その後復帰して2017年現在も現役で試合をしています。

2017年公開の映画で主演を務める

ブアカーオはこれまで4本の映画に出演しており、2010年には山田長政の活躍を描いた「アユタヤのサムライ」にも出演したことが少し話題となりましたが、2017年に公開された「The Legend of the Broken Sword Hero」では主人公を華麗に演じています。

(余談ですがアユタヤのサムライにはセンチャイやヨードセングライなど、他のムエタイレジェンドも出演したそうです)

ブアカーオはタイで有名な豪傑であるプラヤー・ピチャイダープハックを演じており、戦いで剣を折られながらも、折られた剣と古代ムエタイの技を駆使して敵と立ち向かうという内容になっています。

この映画の制作費は5000万バーツ、日本円にして約1億6500万円ですが、物価の差を考慮して日本経済から見ると約5億円の費用なので、そこそこお金がかかった映画となっています。

サッカー選手に転身したことも

100メートルの伝説的な選手であるウサイン・ボルトは現在サッカー選手への転身を狙っていますが、実はブアカーオは既にサッカー選手に転身しています。

ブアカーオは2013年にラッタナ・バンディット大学に入学しているのですが、その大学のサッカークラブである「RBAC FC」はタイのサッカーリーグの3部に所属しており、ブアカーオもRBAC FCの一員としてサッカー選手になっています。

おそらくほとんど活躍はしていないはずですが、2014年2月にはフォワードとしてデビューするなど、公式戦に出場した紛れもない「元サッカー選手」でもあるのです。

バンチャメークジムを主催し、70kg最強のスーパーボンを育てる

ポー・プラムックジムを抜けたブアカーオは、2012年に自身のジムであるバンチャメークジムを設立し、リングネームも「ブアカーオ・バンチャメーク」に変更されました。

ブアカーオの豊富な資金力を活かしてか、バンチャメークジムはリングの他にもオクタゴンが設置されるなど、近代的なジムとして有力な選手を抱えています。

代表選手はクンルンファイト70kgトーナメントを制したスーパーボン・バンチャメークです。

スーパーボンは単なる門下生というよりもブアカーオの弟子というべき立場で、SNSでは二人ペアで写っているシーンがよく見られます。

今年1月1日に行われたクンルンファイト70kgトーナメント決勝ラウンドで、スーパーボンはセドリック・マヌーフとジョムトーンを撃破して優勝。その前にはシッティチャイからも勝利するなど、70kg戦線で最強との呼び声が高い選手です。

選手としてだけではなく、指導者としても既に一流になりつつあるブアカーオにセカンドキャリアの心配は必要ないのかもしれません。

MMAへの転向も噂されてきた

ムエタイ仕込みの組みの強さで、立ち技の試合では相手を軽々と投げてきたブアカーオにはMMAへの転向待望論が日本でもありました。

(出典: http://muaythaiauthority.com/buakaw-fighting-mma/)

世にも珍しい腕ひしぎ十字固めを極めるブアカーオの写真ですが、ブアカーオは実際にMMAの練習を積んでおり、2016年にはクンルンファイトからMMAデビュー戦のオファーが届いていたと海外メディアでは報じられています。

デビュー戦の相手はあのイー・ロンになるかも?というぶっ飛んだ噂もありましたが、結局のところ現在までにMMAの試合は行っていません。立ち技の試合でみせたあの組みの強さがMMAで発揮されることは今後あるのでしょうか!?

最後に

今回はK-1 MAX以降の、あまり知られていないものの波乱万丈となったブアカーオのキャリアと、その高い人気ぶりについて紹介しました。

ブアカーオはラジャダムナンやルンピニーでのタイトルを獲得していないことから、日本ではムエタイ選手としての実績を低く見られることがありますが、今やブアカーオは格闘家という枠を飛び越えた英雄的な地位を築いています。

キャリアも終盤に差しかかかってきていますが、中国を主戦場に精力的に試合をこなしているので、ブアカーオの動向についても注目して頂ければ幸いです。

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