Queel
×
サイト内を検索する
  • ボクシング
  • ニュース

3階級王者ホルヘ・リナレスがロンドン五輪金メダリストのキャンベルと対戦。リナレスが3階級制覇後、初のアメリカでの試合に。

2017/09/21 23:47

日本時間9月24日(日)ザ・フォーラムにてホルヘ・リナレスvsルーク・キャンベルによるWBA世界ライト級タイトルマッチが行われます。3階級制覇の実績を誇るリナレスが五輪金メダリストのキャンベルを挑戦者に迎えます。

3階級制覇のリナレスが五輪金メダリストのキャンベルを相手に防衛戦

日本時間9月24日(日)ザ・フォーラムにてホルヘ・リナレスvsルーク・キャンベルによるWBA世界ライト級タイトルマッチが行われます。

リナレスはかつて帝拳に所属し日本でプロデビュー。将来のスーパースター候補として順調にキャリアを積み2階級制覇を達成するも、アメリカ本格進出を狙った試合で手痛いKO負け。

その後も2連敗を喫するなどもう再浮上はないと見られたところから、大きなスタイルチャンジを経て復活。3階級制覇を成し遂げ久々にアメリカで世界戦を行うチャンスを得ています。

対するキャンベルはハードパンチが売りのロンドン五輪のアマチュアボクシング金メダリスト。将来は世界王者を獲得することは確実という大きな期待を背負いながら、13戦目で手痛い敗戦。一度は評価を大きく落としながらキャリアを積み直して世界戦まで這い上がってきています。

今回はWOWOWでも生中継が行われるこの注目カードの見どころを紹介していきます。

日程 日本時間9月24日(日)11:00よりWOWOWで生中継開始
会場 アメリカ ザ・フォーラム
対戦カード

【WBA世界ライト級タイトルマッチ】
ホルヘ・リナレス vs ルーク・キャンベル

復活したリナレスがアメリカに復帰

ホルヘ・リナレスはフェザー級、スーパーフェザー級、ライト級で世界のベルトを獲得したベネズエラ出身の世界3階級制覇王者です。

スピードのある出入りから繰り出す速射砲のようなパンチを武器に、14歳と16歳の頃にベネズエラのジュニア選手権で金メダルを獲得しています。

日本のファンにリナレスが親しまれている理由としては、将来のスーパースター候補として17歳の頃に帝拳ジムと契約を交わし、日本在住歴が長く、日本語も堪能であるためです。

プロデビューも日本のリングとなっており、デビューからの23戦のうち実に18試合を日本で行っており、世界戦も日本で経験。2009年のWBA世界スーパーフェザー級王座防衛戦、2014年に3階級制覇を達成したWBC世界ライト級王座決定戦も日本のリングとなっています。

日本にゆかりのある選手であることに加えて、端正なルックスや華麗なファイトスタイルもあって女性ファンも高いことでも知られています。

このように日本に拠点を置きながら着実にキャリアを積み重ね、24戦目でオスカー・ラリオスを相手にWBC世界フェザー級暫定王座決定戦を行います。

マニー・パッキャオとも対戦経験のある元世界王者のラリオスが相手で、これまで世界的な強豪との対戦相手経験のないリナレスにとっては苦戦も予想されるも、パンチの回転力を見せて快勝。世界王座を獲得します。

そしてその2戦後には減量苦から階級をひとつ上げ、WBA世界スーパーフェザー級王座決定戦でワイベル・ガルシアと対戦。

この試合はガルシアが世界戦に出場するには余りにも評価が低く、一部のボクシングファンからは冷ややかな視線もありながらも、5RTKO勝利でタイトルを獲得。世界2階級制覇を成し遂げます。

本格的なスター街道を歩むきっかけとなるはずの試合でKO負け

2階級制覇を成し遂げ、日本のファンには知られる存在となったリナレスですが、センセーショナルな内容の試合は数少なく、国際的な露出も少なかったことから世界ではあまり知られている存在ではありませんでした。

世界的なスーパースターに成長する為に露出が欲しいリナレスでしたが、ここでアメリカ大手のプロモーションであるゴールデンボーイプロモーションズ(GBP)と契約を結びます。

そしていよいよリナレスがアメリカに羽ばたくための前哨戦という意味合いを含んだ試合を、日本でフアン・カルロス・サルガドを相手に行います。

この試合は下馬評では圧倒的にリナレスが優勢とされていましたが、なんとリナレスは当時無名選手だったサルガドにKO負け。GBPと契約を果たしこれからアメリカに打って出る前の門出となるはずだった試合で評価を急落させてしまいます。

階級をライト級に上げてアメリカで3階級制覇を狙うも失敗。キャリアのどん底に

まさかの敗戦を喫したリナレスは格下の選手を相手に再起戦を行った後、階級をライト級に変更し世界3階級制覇を目指します。

ライト級に階級を上げてからは、階級下の選手を相手に体重だけライト級に合わしたような試合だったものの3連勝を記録。

2戦目にロッキー・ファレスとアメリカのラスベガスで行った試合ではWBAの南米タイトルを獲得し、アメリカでも名前を売っていきます。

そして2011年10月にアメリカの舞台で、アントニオ・デマルコとのWBC世界ライト級王座決定戦が行われます。サルカドとの試合で大きく評価を落とすも、プロモーションの力もあって評価を取り戻すチャンスが思いの外早く回ってきます。

アメリカでスターダムにのし上がるチャンスとなったこの試合で、デマルコの圧力を受けながらも、リナレスは有効打の多さで着実にポイントを積み重ねていきます。

ところがフィジカルの差と圧力を常に受け続けたリナレスは徐々に消耗していき、11Rにパンチをまとめられて逆転のKO負けを喫し3階級制覇に失敗。

またもキャリアの起点となる試合で敗れてしまったリナレスは、2012年にメキシコでセルヒオ・トンプソンとWBC世界ライト級王座への挑戦権をかけて再起戦に登場。しかしこの試合でも積極的にインファイトを仕掛けてくるトンプソンに2RTKO負け。

スター候補だったリナレスもこの試合で再浮上は見込めないと言われるほどの、キャリアのドン底に突き落とされます。

ちなみにこの頃はリナレスのトレーナーにフレディー・ローチが付いており、過去にはリナレスはパッキャオのスパーリングパートナーも務めていました。しかしどんな名伯楽でも指導の向き不向きがあり、リナレスはローチの指導が合っていなかったともされています。

イスマエル・サラスの指導を受け復活

痛すぎる連敗を喫したリナレスは2013年からトレーナーをイスマエル・サラスに変更し大掛かりなスタイル変更を行います。

A post shared by 格闘技 (@kouki_521) on

まずはライト級では弱点とされていたフィジカル不足を克服するために筋肉量を大幅にアップ。さらにファイトスタイルも出入りを駆使したこれまでのボクシングに頼らず、懐を深くしたアウトボクシングから慎重に組み立てるスタイルに変更。

その結果、勝負どころでのカウンターと得意とする連打の安定感が増し、さらにパンチ力も上がったことで対戦相手の圧力をパンチで押し返せるようになるなど、大きな成長を見せます。

ここから連勝街道を続けたリナレスは、2014年に荒川仁人を相手にWBC世界ライト級挑戦者決定戦を行い圧勝。再び3階級制覇への挑戦権を手にします。

3階級制覇を達成

そして2014年12月にハビエル・プリエトとWBC世界ライト級王座決定戦をキャリアの出発点となった日本で行います。

この試合でリナレスは右ストレートを狙うプリストをフットワークでいなしながら、一瞬のスキをついた右ストレートでKO。遂に3階級制覇を達成します。

その後はイギリスでケビン・ミッチェルを相手にダウンを奪われKO負け寸前になりながらも、丁寧なアウトボクシングでポイントを奪い返し逆転勝利。

2016年9月にはWBCのベルトはダイアモンドベルトに昇格し、アンソニー・クローラの持つWBA世界ライト級タイトルに挑戦することに。この試合では圧力が強く粘り強い戦いを持ち味とするクローラに苦戦が予想されるも、パワーで上回ったリナレスが接戦を制し判定勝利。

さらに2017年3月には前回の接戦を受けクローラと再戦。この試合ではリナレスがアウトボクシングからカウンターを放ち圧倒。特にダウンを奪ったサイドステップを踏みながらの左アッパーは神業として絶賛を受けました。

A post shared by Kazuyuki Ohta (@alph_zen) on

キャリアでも今が全盛期と言われ、近年の充実ぶりが著しいリナレスが、いよいよ3階級制覇を成し遂げてから初となるアメリカのリングに立ちます。

キャンベルは清水聡を破った五輪金メダリスト

対するルーク・キャンベルは2012年のロンドン五輪で清水聡を準決勝で破り、金メダルを獲得したイギリス人選手です。

ロンドン五輪の翌年にプロに転向。輝かしい実績に加え、顔が小さくモデル体型とルックスも良く、さらにプロ向きのハードパンチャーだったことから、 イギリス国内で大きな期待を背負ってのデビュー戦を迎えました。

世界王者は規定路線とも言われる中、イギリスの強豪選手であるトミー・コイルをKOで下すなど、順調にキャリアを積んでいきます。

13戦目でまさかの敗戦

スター選手への道を順調に歩んでいたキャンベルでしたが、キャリア13戦目で迎えたイヴァン・メンディー戦でまさかの初黒星を喫します。

この試合はコイル戦で獲得したWBCインターナショナル・ライト級王座防衛戦として行われました。この試合でキャンベルは得意の強打をディフェンスのいいメンディーにいなされ続けて完敗。

対戦相手のメンディーは後にWBCシルバー王者を獲得する実力者ではありましたが、スーパーホープとしての評価をこの敗戦で急落させてしまいます。

タフな相手を破り世界初挑戦のチャンスを掴む

その後元世界王者のアルヘニス・メンデスと対戦し、ダウンを奪われながらもガンガン前に出て盛り返し逆転勝利。

さらにイギリスで高い人気を誇る、ベテランのデリー・マシューズをボディーブロー1発でKO勝利。

そして2017年4月には元世界王者のダルレイス・ロペスからもTKO勝利をあげるなど、敗戦で遠回りをしながらも強豪を連破し世界初挑戦のチャンスを得ています。

下馬評はリナレスに傾くがキャンベルにも勝機

この試合はキャンベルの地元であるイギリスの賭け率でも、9月21日の時点でリナレスの倍率が1.2倍に対して、キャンベルが4.3倍とキャンベルが不利と見られています。

両者にはそもそもの実力差が大きく、リナレスがスピード差で圧倒すると予想されています。

しかしキャンベルはリナレスがこれまで苦手にしてきたサウスポーであり、ガンガン前にでるハードパンチャーです。決して打たれ強くないリナレスは、相手の正面に立ち頭を振らずに戦う選手であり、距離の遠いところからでもキレのあるパンチを放つことができるキャンベルにも勝機は十分あります。

リナレスはサウスポーのキャンベルのパンチをかいくぐり、左ボディーなどカウンターを当てることができるかが焦点になりそうです。

絶望の淵から復帰を再びアメリカで試合のチャンスを得たリナレスと、絶望の淵から世界初挑戦のチャンスを得たキャンベル。スターになるチャンスをこれまでものに出来なかった両者によるキャリアをかけた直接対決を行います。

ライト級は現在タレント不足に悩まされ、アメリカのプロモーションがこれからスターを発掘しようとしている階級です。

ライト級で唯一のアメリカ人王者であるロバート・イースター、37戦全勝のミゲル・アンヘル・ガルシア。今回の対戦はこの2人の対戦候補を決める戦いという見方もでき、勝者はアメリカで大きなチャンスを得る可能性がある勝負どころの一戦です。

クイール編集部 ◯文 text by Queel
クイールをフォローして
最新情報をチェック!
最新の格闘技ニュースをお届けします
関連する記事