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近藤明広vsセルゲイ・リピネッツのIBF世界王座決定戦はもう間もなく。25年ぶりの日本人スーパーライト級王者誕生なるか

2017/11/04 10:18

日本時間11月5日にニューヨークのバークレイズ・センターにて、近藤明広vsセルゲイ・リピネッツによるIBF世界スーパーライト級王座決定戦が行われれます。近藤が紆余曲折を経て無敗の新星に挑むこの試合の見どころを紹介します。

近藤が無敗の新星を相手に世界王座決定戦

日本時間11月5日(日)にニューヨークのバークレイズ・センターにて、近藤明広vsセルゲイ・リピネッツによるIBF世界スーパーライト級王座決定戦が行われれます。

近藤は非凡なタフネスとスタミナを武器に粘り強い乱戦を得意とし、キャリア序盤に日本タイトルを獲得。しかしその後は何度も敗戦を経験するなど浮き沈みの激しいキャリアを重ねながら、徐々にランキングを上げ世界初挑戦のチャンスを獲得しました。

対するリピネッツはキックボクサーとして世界タイトルを獲得した後にボクシングへ転向。クイックネスに優れ、大振りのパンチと素早く放つ軽打を交えたコンビネーションを武器に、デビューから無敗で世界タイトルマッチまで駆け上がっています。

紆余曲折のキャリアを歩んできた近藤と、将来はマイキー・ガルシアやテレンス・クロフォードといったスター選手との対戦も見据える新星のリピネッツによる王座決定戦。WOWOWオンデマンドにて日曜の朝10:00より放送されるこの試合の見どころを紹介します。

日時 日本時間11月5日(日)
会場 ニューヨーク・バークレイズ・センター
対戦カード

IBF世界スーパーライト級王座決定戦

近藤明広 vs セルゲイ・リピネッツ

敗戦を乗り越えて世界挑戦まで辿り着いた近藤

近藤は2006年にプロデビューし、ここまで29勝(16KO)6敗1分という戦績を記録している32歳の元日本王者。

世界挑戦を行う選手としてはキャリア6敗と負けは少なくないものの、非凡なタフネスさとスタミナを持ちKO負けを喫した経験はなし。そしてその特徴を活かし、乱打戦に持ち込んで粘ってペースを握るスタイルで際どい試合をものにしてきました。

デビューから3年で日本王者に輝くも紆余曲折なキャリアを辿る

高校時代にインターハイで準優勝を飾るなど実績を残した近藤は、アマチュアボクシングの名門校である東洋大学に進学します。

東洋大学といえば先日ミドル級で世界王座を獲得した村田諒太がかつて在学した大学ですが、近藤と村田は同期入学。その後、村田は卒業後も大学に残りアマチュアで五輪を目指すことになりますが、近藤は大学を中退してプロの道へと進みます。

そしてプロデューを果たし僅か3年で三垣龍次の持つ日本タイトルに挑戦。名勝負製造機として知られた日本王者を相手に1R僅か45秒でTKO勝利し、スーパールーキーとして大きな注目を浴びます。

しかし初防衛戦で加藤善孝との接戦を制するも、2度目の防衛戦で荒川仁人に敗戦し王座から陥落。その後に再起し連勝を飾り日本王者となった加藤善孝に挑むも、今度は接戦で敗れ王座奪還はならず。

さらに2014年には荒川仁人と再戦し判定負け。再起戦で勝利するも実績で劣るノーランカーに敗れるなど勝ち負けを繰り返します。キャリア序盤に日本王座を獲得するも、その後は精彩を欠き評価を落としていきます。

そんな苦難の時期を経験するも、2015年7月に行った復帰戦世界ランカーのパトムサックに勝利。そして2016年9月には日本で初めて行われたWBOアジア太平洋スーパーライト級タイトルマッチで勝利し同王者を獲得。現在は8連勝と復活を遂げています。

そしてスーパーライト級で世界4団体統一王者だったテレンス・クロフォードが階級変更の為に王座を返上。4団体で一気に王座が空いたところで近藤に王座決定戦のチャンスが舞い込んでいます。

リピネッツは無敗の新星

セルゲイ・リピネッツはここまで12戦12勝(10KO)の戦績を記録しているロシアの28歳。

クイックネスに優れ素早く強打をを打ち込めるボクサーファイターであり、特に右ストレートと左ボディを得意としています。

スピードとパワーもトップクラスであり、鋭い踏み込みからワンツーを放ち大振りのパンチにつなげるコンビネーションでKOを量産。ボディーワークを用いながら、相手の攻撃をかわして強打を放つなど攻防一体のスタイルを持っています。

キックボクシングからボクシングに転向

リピネッツは幼少の頃に両親が離婚し、父親に引き取られるも不慮の事故で父親が他界。その後は祖母のもとに引き取られます。

その後は再婚した母親に引き取られるも、母親が再び離婚した際にまた祖母のもとへ。この激しい環境の変化のストレスで格闘技を始めたとされています。

そしてジャッキー・チェンに憧れていたリピネッツが最初に選んだのはキックボクシングであり、チェチェンに軍を派遣していたロシアの特殊部隊が運営していたスポーツジムで格闘技のキャリアを開始します。

高い身体能力を誇るリピネッツはすぐに頭角を表し、アマチュアでは欧州選手権で優勝し世界大会で銀メダルを獲得するなど活躍。そしてプロに転向後はWAKOで世界王者に輝くなど実績を残します。

しかしキックボクシング時代から平行してアマチュアボクシングにも出場。リピネッツ自身もボクシングのほうが適正が高いという思いを持っており、キックボクシングで実績を積んだ後にボクシングへと転向を果たします。

転向後僅か3年半で世界タイトル挑戦へ

ボクシングへ転向したリピネッツはデビューから連勝を重ね5戦目にWBCインターナショナルのシルバータイトルを獲得します。

さらにキャリア初期からアメリカのプロモーターに見い出されたビバリーヒルズに移住していたことから、6戦目でロシア出身でありながらWBCラティーノタイトルを獲得し、ランキングを上昇させていきます。

そして11戦目にはかつて元日本王者の土屋修平にオーストラリアで勝利したこともあるレニー・ザッパビグニャと対戦。世界挑戦も経験している難敵に苦戦するも最終的にはKOで勝利しています。

リピネッツは「ボクサーにとって最も大切なのは規則正しい生活だ」と語るように高いプロ意識を持っており、アメリカでは"サムライ"というキャッチコピーを持っています。つまり近藤は日本からアメリカに乗り込み"サムライ"と対戦することになります。

そしてデビューから僅か3年半で世界タイトルに初挑戦が決定。これまでの試合のパフォーマンスもあり下馬評では近藤を大きく上回っています。

早くもこの試合の後にはウェルター級までを視野に入れてのビッグネームとの対戦を希望するなど、上昇志向の高さも伺える人物です。

近藤は「玉砕覚悟」の挑戦

リピネッツは知名度こそ低いものの、アグレッシブなファイトスタイルで質の高い選手から勝利を上げてきており、近藤にとっては過去最強の相手となります。

両者にはスピード差があり、身体能力で上回るリピネッツが序盤から攻勢をかける展開が予想できます。

厳しい戦いを強いられることになりそうな近藤が上回るポイントはスタミナです。リピネッツは動きの出力が大きく、攻めて休んでを繰り返しスタミナを挑戦する選手。そこで近藤はリピネッツを休ませずに動かし続け、後半勝負に持ち込めば勝機が見えてくるでしょう。

ただしリピネッツはパンチ力がありボディーブローも得意としているので、ダメージを貰わずに猛攻をしのぎ切るのはかなり難しい戦いになります。

紆余曲折のキャリアを経て世界挑戦まで辿り着いた近藤が、過去最強の相手を退けて念願の世界王座を獲得することができるのでしょうか。

この試合は日本時間11月5日(日)10:00よりWOWOWオンデマンドにて生中継が予定されています。

クイール編集部 ◯文 text by Queel
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