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シッティチャイが"不敗神"イー・ロンを撃破し、中量級の頂点へ。

2017/11/05 01:22

By Changangela92 (Own work) [CC BY-SA 4.0], via Wikimedia Commons

武林風にて行われた「イー・ロンvsシッティチャイ」は立ち技史上に残るビッグマッチに。ムエタイ最強のシッティチャイが、中国の英雄であるイー・ロンを下し、中量級の頂点に君臨しています。

立ち技史上最大のビッグマッチ「イー・ロンvsシッティチャイ」

現地時間11月5日に行われた中国キックボクシングのメジャーイベントである「武林風」。武林風は中国全土に渡って空前の人気を博しており、全テレビ番組の中でも指折りの視聴率を獲得しているとされています。

そんな武林風において絶対的な存在として君臨しているのが、こちらのイー・ロンという選手です。

イー・ロンは少林寺拳法の第一武僧という肩書を持つだけでなく、キックボクシングにおいても高い実績を誇っており、昨年には武林風最大の一戦となったブアカーオから判定勝利を収めています。

しかしながら判定での優遇ぶりは目を見張るものがあり、どれだけ試合で劣勢となっても判定勝利してしまうことから、一ファイターとしての存在を遥かに凌駕しているとも称されます。

果たしてこの世に相手は存在するのか…と思われたものの、今年からイー・ロンへの挑戦者を決定するトーナメントが開催され、世界から名だたる強豪が終結した中で、優勝したのが今回対戦するシッティチャイです。

8人制のトーナメントが半年間にかけて行われ、シッティチャイが見事優勝すると共にイー・ロンへの挑戦権を獲得。シッティチャイはこれまでムエタイ最強の座を欲しいままにし、中国の同じくメジャー団体であるクンルンファイト、欧州最大のGLORYでも王者となるなど、70kg戦線において頭一つ抜けた活躍を残しています。

この試合はイー・ロンが保持する71kg級の王座と共に、賞金100万元(約1700万円)という多額の賞金もかけられ、また中国国内においても2017年で最も注目度の高い一戦となっています。

その注目度の高さから控室は個室にセキュリティがつけられるなど、厳戒態勢の中で行われました。

シッティチャイが左ハイキックでイー・ロンをKO

◯ シッティチャイ・シッソンピーノン
[2RKO]
✕ イー・ロン

試合開始のゴングがなると地鳴りのような大歓声が巻き起こり、まさにメガマッチというに相応しい舞台に。普段は伝統武道を思わせる長パンツを履いているイー・ロンですが、この日は現代風のキックパンツを履いて試合に臨んでいます。

イー・ロンはいつものように大味ながらもパンチを放ってシッティチャイにプレスをかけます。一方、シッティチャイはさすが百戦錬磨だけあり、大舞台となっても冷静にイー・ロンの攻撃に対処。

試合が大きく動いたのは、イー・ロンがシッティチャイをプッシングした際、シッティチャイがロープ際まで飛ばされると、イー・ロンがダッシュしながら猛然と前進した時のこと。シッティチャイはイー・ロンの動きを冷静に見極めて左ハイキックをヒットさせると、イー・ロンは尻餅をつくようにして倒れます。

ダウン宣告されてもおかしくない場面ですが、ここは流れの中だったためかスリップの判定に。

しかしこれでダメージを負ったイー・ロンの動きは鈍くなり、シッティチャイの左ストレートが次々とヒット。さらに左ハイキックを首筋に受けるも、無類のタフネスを誇るイー・ロンは倒れず。防戦一方となったところで1Rが終了しています。

インターバルを経てやや回復したイー・ロンは、2Rに入ると積極的にパンチを放っていきます。

ただしやはり動きが大味なためかシッティチャイに動きを見切られてしまい、カウンターのテンカオがヒットするとイー・ロンの動きが止まります。ボディーにダメージありと見たシッティチャイは左ミドルでさらにボディーを攻め立てると、イー・ロンの動きがさらに落ちていくことに。

攻め時と見たシッティチャイは左ストレートからの左ハイキックを放つと、これがイー・ロンにクリーンヒット。さすがのイー・ロンもこれには崩れ落ちるようにダウンを喫し、大歓声をバックに必死に立ち上がろうとするも体が言うことを効かずに立ち上がることができず、無情にも10カウントが過ぎてしまいます。

これによりシッティチャイが劇的な形で2RKO勝利。決してKOされることのなかったイー・ロンに対し、シッティチャイが歴史的なKO勝利を収めています。

シッティチャイが武林風71kg級王者に輝く

これまで様々なメジャー団体のベルトを獲得してきたシッティチャイですが、大国である中国の英雄であるイー・ロンと対峙したこの一戦は、過去にはない規模のメガマッチとなっています。

無類のタフネスを武器にKOされることはなく、また判定までもつれれば勝利を重ねてきたイー・ロンをこのような形でKOすることは、まさに空想上の出来事のはずでした。

それが現実としてイー・ロンをマットに沈める事になったこの一戦の意義は非常に大きく、シッティチャイは71kg級王座を獲得しただけでなく、中量級を象徴する選手となった瞬間でもあります。

GLORY、クンルンファイトに加えて、武林風という世界的なタイトルを獲得したシッティチャイは、2010年代を象徴する中量級選手として歴史に名が刻まれることでしょう。

クイール編集部 ◯文 text by Queel
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