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【K-1ヘビー級特集】影の優勝候補、アントニオ・プラチバットを紹介。シカティックの伝説を継ぎ、K-1制覇を狙う。

2017/11/18 14:37

(C) M-1 Sports Media

「K-1 WORLD GP 2017 JAPAN ~初代ヘビー級王座決定トーナメント~」に出場するヘビー級ファイターを特集。第一弾はブランコ・シカティックの一番弟子であるアントニオ・プラチバットを紹介します。

伝説を継ぐ男、アントニオ・プラチバット

11月23日(木)にさいたまスーパーアリーナ・コミュニティアリーナにて「K-1 WORLD GP 2017 JAPAN ~初代ヘビー級王座決定トーナメント~」が開催されます。

00年代以前や旧K-1がそうであったように、かつてはヘビー級が日本格闘技の花形だった時代とは異なり、現在のK-1では軽量級~中量級までの日本人選手が世界と戦える舞台にスポットライトが当たり、ヘビー級のトーナメントはこれまで開催されることはありませんでした。

そして今回、新生K-1が発足してからちょうど3年というタイミングで初のヘビー級トーナメントが開催されることになっています。

ヘビー級トーナメントには日本のエースである上原誠や、ミドル級から転向してきたK-Jeeなどおなじみの選手が揃っていますが、海外勢については単発での参戦となったエル・ボウニ、パコム・アッシを除けば初参戦となります。

そこで今回は初参戦組の一人である、"クロアチアの新鋭"アントニオ・プラチバットについて紹介していきます。

この選手はヘビー級としては小柄ながら、スピードとカウンター技術に長けており、キャリア11戦にして世界的な評価を高めている「影の優勝候補」とも目されています。

名前 アントニオ・プラチバット
生年月日 1992年12月10日(24)
国籍 クロアチア
身長・体重 196cm・101kg
戦績 11戦10勝1敗

ブランコ・シカティックの伝説を継ぐ男

まずアントニオ・プラチバットを語る上で欠かせないのが、師匠であるブランコ・シカティックです。

ブランコ・シカティックといえば日本格闘技のレジェンドとして、90年代からの格闘技ファンには誰もが知る存在となっていますが、新生K-1ファンを支える若いファンの中にはご存知ではない方も多いかもしれません。

旧K-1が旗揚げと同時に開催された、1993年の初代グランプリでは、当時38歳にして無名の存在としてシカティックが参戦。佐竹雅昭やピーター・アーツらが優勝候補と目されていた中、波乱が次々と起こり、激動のワンデートーナメントで優勝したのがこのシカティックでした。

1回戦から決勝まで対戦相手を全てパンチでなぎ倒し、石のように固いハードパンチを持っていたことから「石の拳」との異名をつけられています。

シカティックはK-1優勝の翌年には、クロアチアの独立戦争に参加するために、アーネスト・ホーストと引退試合を行い(※1RKO勝利)、一度は引退。しかし戦争から戻ると、1997年には復帰して武蔵やマイク・ベルナルドらと対戦するなど、記憶に残る試合をこなしてきました。

祖国であるクロアチア格闘技界には大きな影響力を誇っており、今年に入ってからもパンクラスでは「シカティック軍」として、海外勢を引き連れて日本との対抗戦を行うなど、今なお日本格闘技界とも関わりを持っています。

そんな伝説の格闘家であるブランコ・シカティックの一番弟子とも言えるのが、このアントニオ・プラチバットです。

プラチバットが格闘技を始めた時に師事したコーチが、ブランコ・シカティックの教え子だったこともあり、やがてプラチバット自身もシカティックから指導を受けることに。

シカティックもまたプラチバットの才能を高く評価しており、K-1の紹介動画内では「彼と最初に出会った時、とんでもない才能の持ち主だと思った。彼のような選手をこれまで見たことがない。」とコメントしています。

線は小さいが、スピードとカウンター技術に定評がある

それではアントニオ・プラチバットとはどのような選手なのかを紹介します。

実はプラチバットは海外ではライトヘビー級、クルーザー級を主戦場としており、ヘビー級よりは一つ下の階級の選手です。均整の取れた体つきをしているため、筋肉量がそれほど劣るわけではないものの、やはりナチュラルヘビーの選手と比べると戦が細く、ライトヘビー級を主戦場としています。

プラチバットの特徴がよく出た試合としては、母国クロアチアの有力団体であるFFCでのこちらの動画があります。

スタイルとしてはガードを顔の近くに常に置き、ブロッキングに頼ったディフェンスと、好機と見るやタイミングよく放つカウンター、そして畳み掛けるパンチのコンビネーションを得意としています。

その反面、ブロッキングの隙間から有効打を貰ったり、顔面に攻撃を集められてからのボディー攻撃への対応に難があり、上に掲載した動画では勝利しているものの、何度かボディーを明確に効かされる場面が見られます。

ブロックを固めて相手にプレスをかけられれば強い半面、攻撃の距離が短く柔軟性に欠けるため、セルゲイ・マスロバエフという欧州の強豪選手と対戦した時には、相手の多彩な攻撃に全く対応できずに一方的な内容で敗れたこともあります。(ただしこの試合が11戦のうち唯一の敗戦)

格上と言える相手から勝利を収めた試合としては、世界的に評価が高いボグダン・ストイカという選手から勝利していますが、この試合は一進一退の攻防の中で、ストイカがアクシデントで負傷したことでのストップ負けとなっています。

K-1公式サイトでも「コンプリートファイター」と紹介されているように、キャリア11戦としては高い完成度を誇っており、またライトヘビー級としても非常にスピーディーな攻撃を持っているのが長所と言えるでしょう。

またブロッキングに偏重したスタイルながらも、要所で放つショートでのカウンターも得意としており、相手を攻めさせておいてからの形勢逆転も可能なのもここまで高い勝率を誇ってきた要因かもしれません。

シカティックの優勝の再来となるか

プラチバットはシカティックの弟子というのが一つのキャラクターとなっていますが、プラチバットが生まれたのはシカティックがK-1を制覇した4ヶ月前のことです。

シカティックの優勝と同時期に生を受け、伝説を次ぐ男としてプラチバットがシカティックの下で育ち、そして新生K-1の初代ヘビー級トーナメントの優勝を狙おうとしています。

少々強引なこじつけではありますが、シカティックが初代K-1グランプリの1回戦でKO勝利を収めたチャンプア・ゲッソンリットは中量級あがりの選手で、プラチバットが初戦で対戦するK-Jeeもまた70kg級からヘビー級に転向した選手ということで、プラチバットが勝利すればシカティックの成り上がりと重ねる部分も見えてくるかもしれません。

プラチバットもK-Jeeも体格面では他の選手に劣るものの、共にヘビー級離れしたスピードを持ち味としており、K-1ヘビー級最速のマッチアップという面でも注目の対戦カードとなっています。

ライトヘビー級を主戦場としながらも、スピードと卓越したカウンター技術を武器に、一部では「影の優勝候補」とも目されているプラチバットに注目するキッカケとなれば幸いです。

クイール編集部 ◯文 text by Queel
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